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東京メンタルヘルス・スクエアblog

AERA「コロナ禍の子ども」について取材を受けました

カテゴリ: スクエアのSNS相談 作成日:2020年07月02日(木)

こんにちは。

東京メンタルヘルス・スクエアの広報スタッフAです。

 

一行コピーが印象的なニュース系週刊誌「AERA」の取材を受けました。

テーマは「コロナ禍の子ども」。

日々報道されるコロナ関連ニュースの裏で報道されない被害に遭っている子どもたちに、スクールソーシャルワーカーとして活動中の新行内がどのような想いで関わっているか、インタビューしました。

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――AERAって、守備範囲の広い週刊誌ですよね。どのような目的で取材に来られたのでしょう?

「子どもたちは3月以降のコロナ禍において家にこもることが多くなり、ネットやSNSへの接触も増えたと思われれます。危ない目に合いそうになったり、実際に会ってしまったり、被害が出た(例えば性的な画像が拡散される、誘拐、強制わいせつ、ネット自殺など)などといった相談がSNSで増えていないか、その被害を防ぐためにどうしたらいいか意見を聴かせてほしい」という問合せでした。

――その問い合わせ、どう思いました?

「ネットと子ども」というAERAさんのテーマ、大変興味深いと思いました。
私にとって小中高の子どもは普段の相談で関わることの多い世代であり、ネット社会の動向や事件にも興味を持っています。

――新行内さんご自身も、ネットで事件を体験したことはありますか?

事件というほどではありませんが、SNSで失敗して怖いをしたことが何度もあります。
本名を出さずに完全プライベートのSNSで弱音とかを呟いていて、全く悪気はなかったのですが、ルール違反と受け取られる言動をしてしまったこともありました。それ以来、プライベートな内容をSNSで発信することは止めました。

――匿名になったつもりでも特定される恐れがある。SNSの怖い部分の一つですね。

それでもSNSに夢中になる心理は理解できます。SNSが悪というわけではなくて、必要とされている面もありますから。

――必要とされるのはどんな面だと思いますか?

今まで出せなかった声が出せることですね。
SNSは声の小さい人たちが自己表現できる場所、繋がれる道具になる。遠くの人とも匿名でつながることができる。それを必要としている人は少なからずいると思います。

――危険や被害を防ぐために、どうしたらいいのでしょう?

取材のときは6つお話しました。


(1)子どもたち自身が自衛力を身につけること
SOSの出し方、ネットリテラシー、困難に対して悩んだ上で答えを出す力を身につけられるように、学校や親が教育していく必要があります。

(2)親や教師が見守る
現実世界で目をかけてもらえない子がインターネット上で注目されているように感じると、不純な動機を隠した誘いにも応答してしまう傾向があります。
そうならないように見守り、ひとりにさせないことが大切です。

(3)周りが目をかける、声をかける
リアルなところでさみしさや満たされない気持ちを抱えて、心に隙間が空いている子たちに対して、悪意ある人が使う声かけの常套句は「相談に乗るよ」。この言葉を優しくかけられると、心の隙間にすっと入ってしまいます。

その前に周りが声をかけ、相談に乗ることが予防になります。

――私たちも「相談」が彼らの役に立つと信じてSNS相談の場を提供しています。
同じ言葉も悪意を隠して使うと、子どもたちを被害に遭わせることができてしまう…‥なんだかショックです。

(4)危険性の周知
これはマスコミの役目ですね。こんな危ない事件が起きた、皆さんこういうことに気を付けましょう。そういう注意喚起をどんどん発信して欲しいです。

(5)セキュリティシステム
フィルタリングサービスや子ども向け機能制限ができるスマホなど、システムで守れるところは活用した方がいいです。

――子どもは、親が思っている以上にデバイスを使いこなすことも多いので、親にも子どもを守るための知識が必要ですね。

(6)スマホの制限
事件に巻き込まれることがなくても、スマホのやりすぎは良くないです。学力、体力、視力の低下、ネット依存のリスクもあります。

ですから親子でスマホを購入前に話し合ってルールを決めることが大事です。ルールが守れなかったり、子どもが危ない目に遭いそうになったら親が介入できるようにすることも必要です。

――SNSで危ない目に遭ってしまい相談に来る子どもに、新行内さんならなんと声をかけますか?

「大変だったね、大変な目に遭ったね」のように声をかけます。
子どもは親や教師に怒られているかもしれない。怒られなかったとしても、自分で自分を責めている。それはかわいそうだし、誰かに責められるのもつらいですが、自分に責められるのが一番辛いと思うんです。だから、その辛さや大変さを理解しようとします。
危ない目に遭うような行動をしてしまった理由を聴いて、理解するように努めます。子ども自身が何故その行動に走ったかを理解できれば「どうしたら良かっただろうね?」と、話し合うこともできます。

――新行内さんらしい受け止め方ですね。


小学生〜中学生くらいまでは、この関わり方で被害を防止できることが多いです。
しかしそれよりも少し上の年代になると共依存のようになって、なかなか被害が終わらないこともあります。相手のことを「彼氏」「彼女」と認識して付き合っていると、騙されて性被害に遭うのとは少し意味合いが違ってきますから。

――そういう子どもには、どう関わるのですか?

少なくとも、見放すことはしません。スクールソーシャルワーカーと本人の関係を維持しておくように努めます。つながりがあれば、困ったことがあった時や危ない目に遭った時にサポートの手を差し伸べられますから。

――どういう子どもたちが、そのような被害に遭ってしまうのでしょうか。


日常生活で他者との関係が希薄な子は、危ういと感じます。

そういう子たちは、ソーシャルスキルを構築できていません。他者と関係を作る力、断る力、はぐらかす力、ごまかす力が育っていません。
さらにリアルで関係が希薄であるがゆえに、ネットでの関係をとても大切に思っていて切れるのが怖い。だから嫌なことを言われても断ることができずに言いなりになってしまう。

――ソーシャルスキルを育てるには、どうしたらいいのでしょうね。

本当は、家庭や学校、友達などとの関係の中で学んでいけたらいいと思います。もしそういう関係がなくて危険な目に遭ってしまった子たちには、今回の教訓から少しづつ学んで欲しいなと思います。

――カウンセラーには、どんな関わりを心がけて欲しいと思いますか?

自分のしてしまったことに後悔している子は、相談に来るとき相手の様子を伺っています。ちゃんと聴いてくれるのかな?また怒られるかな?と不安に思っていることが多いです。ですから、責めない、否定しないで聴いて欲しいです。
そのあとで、同じ目に遭わない方法を、ひとりの大人として子どもたちに教えてあげてください。そのためにカウンセラーにも正しい知識を持って欲しいです。

―取材を通じてAERA読者の方に本当に話したかったことは何でしたか?

危ない目に逢ってしまった子には事情があるのです。寂しさとか、愛情をかけられていないとか、断れないだけの事情が。
そういう事情や背景をわかろうとして欲しいです。
ダメなことはダメだよと叱るのはもちろん大切ですが、それだけでは根本的には解決しない。
そのことがAERAを手に取った人に伝わり、子どもたちへの理解が深まり、結果として子どもたちが危険な目に遭わないようになっていくことを願ってやみません。

 

【掲載記事】

◆雑誌

AERA 2020年7月6日増大号「裸の「自撮り」を送る危険」
◆WEB

被害に遭うのは「学校では目立たない子」? 中学生のSNS通じた性被害が急増(Yahoo!ニュース)
「裸の写真」送ってしまう子どもたち 背景につながり失う恐怖、「断る」スキルの欠如も〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

 

 

 

2020年7月1日
広報スタッフA

 

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