2018 吃音・クラタリング世界合同会議に参加してきました
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チームです。
7月13~16日に、広島の平和記念公園にある広島国際会議場にて開催されました、「 2018 吃音・クラタリング世界合同会議 」 に参加してきました!
地元4時47分発の始発電車に乗り、新幹線も始発、それでも開会式には間に合わず、汗だくの猛ダッシュ滑り込みセーフ!で聴講できた Bruce Wampold 博士の開幕基調講演 「 癒しの社会基盤 」は、心理職の立場からすれば 「 本当そうだよねぇ 」 と、しみじみ改めて初心に戻って確認できるような、根幹となる大切なお話でした。
この合同会議は5団体の共催で、日本からは日本吃音・流暢性障害学会と、当事者の団体であるNPO法人全国言友会連絡協議会(全言連)が入っており、セラピスト側は、大抵が言語聴覚士の方々。心理職なんて本当にわずか。。。
ですが、Bruce Wampold 博士は心理職の方でしたので、なるほど納得の内容でした。
発吃に関する技術(?)的な言語聴覚の専門スキルのプラスアルファ、もしくはその土台となるものは何か。
… そんなお話に、ここ私達ほっとラインでも、十分にお役に立てるものがあるなと確信した次第です。
また、会場では、2年前に教えを戴いていました懐かしい方々との再会があったり、その方々と、Bruce Wampold 博士の講演の意義をリアルタイムで一緒に確認し合えたりもでき、とても嬉しいひと時でした。
また、新しい出会いと繋がりの中で、ほっとラインでの電話練習に関しての新しいヒント等も頂戴できたりと、ありがた~い機会にも恵まれました。
言語聴覚士の経験と知識、カウンセラーの経験と知識、2つのフィールドが融合すると、1+1=10にも20にもできることが広がっていくのも感じました。
折しも、「 生物 - 心理 - 社会モデル 」 「 多職種連携 」 なる言葉を最近頻繁に見聞きする筆者としては、 「 コレぞまさに! 」 な現場の感覚 … 。
吃音も、CALMSモデルではないけれど、発吃に関する口腔運動機能(M)、言語面(L)だけでなく、
心理的側面(C)(A)、社会的側面(S) もしっかりサポートできてはじめて整うものがあるのだな、と再確認してきました。
ヒントをくださった言語聴覚士さんとの出会いの他、
ポスター発表での貴重なお話の数々も、大きな宝となりました。
国リハ(国立障害者リハビリテーションセンター)の先生方のポスターには、もう、もう、どのポスター発表も喰い入るように学ばせて戴きました!
「この詳細の本はいつ出るんですか!?」と思わず訊いてしまったくらいです (笑)
「その前に論文発表ですかね。」と笑って返されてしまいましたが(^-^)
その勢いで聴講した、3日目の基調講演 … 国リハの森浩一先生の「認知行動療法を使った成人吃音のグループ療法」では、目と耳全開で聞き入っていたのは言うまでもありません。
国リハさんは他にも、社交不安尺度の「電話」部分に焦点を当てたポスター発表もして下さっており、筆者のここ「吃音ほっと」を始めた動機どんぴしゃり!
ますます 「 吃音ほっと 」 のモチベーションを上げて帰ってきました。
実は、自腹をはたいて東京から広島へ参加したのは、筆者だけでなく、もう一人「吃音ほっと」の仲間がいました。
その日の夜に届いた彼女からのメールをシェアします。大会に初めて参加した彼女の率直な気持ちを感じてください。。
「なんかね、こんな風に当事者と専門家がいい意味で混じりあってる大会って、今まで経験したことなかったなって。
堂々と吃音と共に言いたいことを言ってる姿は、本当に生き生きしてて、あー自分を生きてるからだよねって思った。
もちろんこの大会で話せる人は、多くのものを乗り越えて今にいたる人。
それができないでいる人の方が多いのだと思うけれど、だからこそ、そんな人に寄り添う意味があるでしょうって。
吃音ほっとでできること、あるね って☆
ごめん、なんか感情ボリュームがマックスで 笑」
彼女は、一度にたくさんの吃音をお持ちの方と出会うこと、お話を聞くことが初めての経験でしたが、映画 「 When I Stutter 」や、日本では言友会の皆さんがスピーチしてくださった 「 マイメッセージ 」 が本当に大切な機会となったようで、とてもありがたかったです。
まだまだ、経験はたくさん!
「親の会」のお話をお聞きして、
親御さんのココロのサポートの大切さを改めて感じたこともありましたし、
当事者同士が繋がっていくことの大切さも、言友会の皆さまの姿を見て感じました。
話は尽きないのですが。。。
最後に2つ、深く印象に残ったことをば。
1つは、「ワールドカフェ」というプログラムでの一幕。
たまたま同じテーブルに当事者のソーシャルワーカーさん、医師の卵さんと同席になった時がありました。
心理職の筆者も含め、それぞれのフィールドでもっと吃音の理解を広げたいよね、社会に繋げられる伸びしろ、たくさんあるよね! いる場所は違うけど、想う事、目指すことは1つ☆ 繋がってるね。
みんなお互いに頑張ろう! … と分かち合えた一幕がありました。
何年後かに同じメンバーでもう1度会ってみたいなぁ、と思ったひと時でした。
そして、もう1つは、
森先生の3日目の基調講演をはじめ、他の口頭発表でも、
「 吃音治療そのものにフォーカスを当てない 」 がキーワードになっているものが、いくつもあったなぁ … と。
こうして、心理の畑でできることが、たーーーーーーっくさんあることを確信し、
焦げるような暑さの中、熱い想いで帰路につきました。
いろいろな方の吃音への想いに触れ、これからも更に精進していこうと、ココロに誓った広島ステイでした。
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東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チーム
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