障害者手帳って取得できるの?
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チームです。
「 吃音って障害者手帳、とれるの?」
気になってネットで調べても、こんなに情報が溢れているにも拘らず
見つからない。。。なんだよ、困ったなぁ。。。どこに訊けばいいんだよ。。
そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回はちょっと固い事務的なノートのようになっちゃいましたが、
いくつか手帳にまつわるお話を。
★吃音でも障害者手帳って取れるの?
障害者手帳を取得することは、できます。
ポイントは2つ。
①吃音が対象になる手帳は、正式には 「 精神障害者保健福祉手帳 」 といいます。
「身体」 ではなく 「 精神 」 の方です。
②ただ、実際問題として、どうやら取得は簡単とは言えないようです。
★どうやったら手帳を取れるの?
手帳の申請には、医療機関の(受診記録を含む)診断書が必要になります。
最初に受診してから6か月後、再度受診した時に、手帳の適用範囲である状態が6か月続いていると診断されたら、申請ができるようになります。
申請書類は、市区町村の障害者福祉担当の窓口へ取りに行き、
医療機関で診断書を書いて貰ったら、必要事項を記入して、再び窓口に提出します。
審査には1~2か月かかるようです。
ここでのポイントは2つ
①今受診しても、すぐに申請ができないこと。(6か月かかる)
②吃音に精通している医療機関にかかること。 ( ←ここ大切!)
★どの病院に行ったら診断書を書いてくれるの?
耳鼻咽喉科、精神科・心療内科になりますが、上記の科ならどこでもOKかというと、そうとは限りません。
むしろ逆で、どちらの科であっても、吃音を診察してくれる医療機関がとても少ないのです。
HPなどで吃音について詳しく記載しているような医療機関以外にも、
お近くの自治体(市区町村)の障害者福祉担当の窓口に行くか、メール等で問い合わせてみるのも手です。
★どれくらいの症状だったら手帳がもらえるの?
厚生労働省のHP >「 対象となる方 」 によりますと↓
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html
果てしなくシンプルにお伝えしますと
1級 : 日常生活ができない ( 食事・入浴・通院服薬・意思伝達etc.ができない )
2級 : 日常生活に著しい制限がある (上記を援助なしにはできない )
3級 : 日常生活もしくは 社会生活 に制限がある ( なお援助が必要な時もある )
※これらは あくまでも目安 でして、
実際に審査する機関で判定されるものとギャップがある場合も、往々にしてあるようです。
基本的には社会生活ができているのだけれども、一部分で制限があるような場合は3級、でしょうか。
ただ …
吃音の部分が全体の発話の多くを占めていて、
明らかに意思の疎通がままならない etc. なら、
その辛さと深刻さが 一目ならぬ、一聞きで明確に分かり、理解されやすいのですが、
そうでない、第3層、第4層における心理的な苦しさと、そこからの行動制限がメインですと、この「一部分」の辛さや困り感が、いかに深刻で、影響力が大きいのかをなかなか理解してもらいづらく。。
例えば、
職場の電話が怖くて出られない。業務に支障が出てしまう。上司からも怒られる。
電話する時、職場の全員が自分の電話に聞き耳立てているようで生きた心地がしない。。
こんな事が来る日も来る日も。。
こういう辛さの捉え方・受け取り方における、当事者と医療側の見解のギャップが「 取得の難しさ 」にも繋がっているようです。
そこで! 吃音に精通した医療機関がとっても大切になってくるのですね。。(しみじみ)
★そもそも手帳を取ってメリットがあるの?
<メリット>としては
所得税や住民税の控除
また、自治体によって
・バスやタクシーの運賃 (JR・航空各社は対象外)
・携帯電話料金
・施設の入場料
等の割引もあったりするようです。
(HNK受信料、自動車税、上下水道料金の減免は、3級は対象外)
障害者枠での就職ができるので、職探しの時に有効に使えるケースもあります。
自分の吃音を周りに分かってもらいたい派であれば、手帳が客観的に証するものになり得ます。
<デメリット>としては
・手帳の名前そのもので 「 気持ちが落ちる 」 「 やっぱり受け入れたくない 」 になる人もいる。
・手帳をもっていることについて周囲から理解を得られるか不安になる人もいる。
・取得していることを職場etc.知られなくない(隠しておきたい)場合には、使えないメリットがある。
・2年ごとに更新をしなければならないので、面倒。
因みに、この手帳は取得後、途中で返すこともできますし、更新しないこともできます。
人によって、ニーズや価値観は違いますので、「 自分軸 」 をしっかり持って、メリットとデメリットをじっくり考えたいですね。
「吃音ほっと」では、臨床的な吃音の改善やアドバイス、
また、法制度に関する件、医療機関や自助グループetc.の情報提供・ご相談は行っておりません。
気持ちの吐き出し・電話の練習としてどうぞご利用くださいませ。
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東京メンタルヘルス・スクエア 吃音チーム
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