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グリーフケア入門~大切な人を失った哀しみに寄添う~ - 悩み相談と心の対話の場所 | NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア

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グリーフケア入門~大切な人を失った哀しみに寄添う~

カテゴリ: 講座のほうこく 作成日:2025年04月30日(水)

Grief

 

 

グリーフケア入門~大切な人を失った哀しみに寄添う~ 2025年4月21日開催

 

先日、グリーフケアの専門家である井手敏郎先生を講師にお招きをしてTMSこころのセミナーが開催されました。

井手先生は一般社団法人 日本グリーフ専門協会士の代表理事でグリーフケアに関する著書も出版されていらっしゃいます。
今回のセミナーでは「グリーフケア」という大変難しいテーマについてお話しをお伺いして、私なりに感じたことをまとめてみました。

まず「グリーフ」とは、皆様ご存じかと思いますが「悲嘆」という意味で、文字通り悲しみや嘆きを表わします。
大事な人や自分にとって重要なものを失った時に起こる感情ですが、そこに「反応」が加わる場合があります。
身体に出る反応でいうと、例えば、食事が摂れなくなる、不眠や過眠になるなどがあります。
他にも、人に会いたくない、仕事に集中できないなどの社会的な影響が生じることもあり、それらを喪失による「悲嘆反応」と呼びます。

そのような状況にある人にどのような対応をすればよいのか・・。大変難しいですね。
そんな時に「同行者であること」という感覚を一番大事にして欲しいと先生はおっしゃいます。
ここで言う「同行者」とは遺族の方に何が起きているのかを深く理解をすることだそうです。
身体的な反応を例にとると、たくさん食べる様子を見た人が「そんなに食欲があるのだったら、大丈夫だね。」と思ったとします。
たしかに一見すると元気そうに見えますが、そこだけで判断をするのは難しいのです。
心にぽっかりと空いた穴・・。その喪失感や空虚感を別のことで満たそうとすることがあるからです。
ある一面だけをみて判断をしないという重要性を感じました。
さらに、同じような体験をしても人それぞれ思いや感じ方は違うということへの理解も必要です。
「自分も同じだったので、この人もきっとこうだろう。」と思い込んでしまわないようにしたいですね。

グリーフケアに求められる「同行者であること」とは・・。
大切な人を失くした方はどのような心理状態が起こりやすいのかを理解をすること。
 
そして、同じような状況でもひとりひとり違うということを知った上でその人が今、どう感じているのか・・。
その気持ちに寄り添うことが何よりも大切なのだと改めて考える機会となりました。
井手先生、とても貴重なお話しをありがとうございました。


 事務局 Yoshiko T.