7月10日、武藤清榮がウェビナー『大切な人と「こころの対話」を取り戻すコミュニケーション法』に登壇しました
メンタルヘルスとコミュニケーションの専門家、NPO法人 東京メンタル・スクエア (弊団体)理事長 武藤清榮『大切な人と「こころの対話」を取り戻すコミュニケーション法』についてを4つの項目に分けてお話しさせてだきました。
1.大切な人とは
- 昔はそうだった
- 今はそうでもない
- 賞味期限は?
「大切な人とは誰なんだろう?」
武藤は、大切な人とは、一般的には好きな人や、経済的に支えてくれる人、色々な出来事を共有する人、一緒に旅行や食事を楽しんでくれる人などなど、自分の生きがいややりがいを作ってくれる人の事を指すと説明しました。
その大切な人へも、今は大切だけど、昔はそうでもない、またその逆。あるいは、本当の気持ちを隠して大切だと思わせぶりな態度をとっている人もいるでしょう。
「大切な人」に賞味期限はあるのでしょうか?
もちろん、できれば大切な人とは一生寄り添いたい、という気持ちは多くの方々にあるかと思います。
武藤は、一つ事例を上げました。
奥さんをとても大切だと思っていた旦那さんがいらっしゃいました。その旦那さんは、ある時浮気をしてしまいました。浮気をされた奥さんは、裏切られ、そして大切に思っていた旦那さんが憎くなってしまったそうです。そして、奥さんは旦那さんだけでなく、全ての男性を嫌い憎むようになり、武藤のもとへカウンセリングにいらっしゃったそうです。
武藤は、いつもカウンセリングのゴールを決めてお話をしているそうですが、奥さんは「旦那さんを許せるようになること」を望んでいた様です。しかし、なぜ浮気をしたのかと言う思いや、なぜ、この人と生きなけれなならないのか、でもこの人が好きと言う葛藤からどうしても抜け出すことが出来なかったそうです。
「大切な人」と言うことは簡単ですが、現実にはその関係性や賞味期限は一筋縄では行かない場合が多いのだと感じました。
2.心の対話って何?
- 心を言葉や行動にする
- ここで課題になるのが「無意識」
大切な人とのこころの対話をするには、まず心の領域を知ることが大切です。
心は下記の8つの領域に分かれているそうです。
- 感情
- 思考
- 記憶
- 意欲
- 意識
- 自我意識(自分は役に立っている、存在意義、自分の居場所があるなど)
- 知覚(見たり、効いたり、触ったりなど)
- 知能
「こころの対話」とは、主に「感情」、「思考」、「意欲」、「自我意識」について対話ができるかどうかを指します。
心の8つの領域を言葉にしたほうが、他の人には伝わりやすいのですが、本音を話すのを我慢してしまったり、上手く言葉に出来ないことがあります。それは、過去にため込んだ攻撃的な気持ちやネガティブな気持ちが無意識にコミュニケーションの邪魔をしてしまうからなのだそうです。
武藤自身も、過去の抑圧された思いが無意識に影響し、不安障害の一つ自己臭症を患っていた時があったそうです。自己臭症は自分の匂いが過度に気になり日常生活に支障をきたすようになる障害です。何度も、親や友人に自分が匂っていないか確認をし、匂っていないと言われても信じられず大変な思いをされたそうです。
数十年前に分かったそうなのですが、原因は、小学生の頃のトイレの失敗だったのです。失敗後に、すぐさま家に帰ったそうなのですが、家に到着するまでの15分間のネガティブな心理状態や葛藤が不安障害の原因を作ってしまったそうです。その後、学校でも自分の匂いが気になったり、友達が自分を避けるようになった感じがしたそうです。そして、次第に学校に行きにくくなってしまったそうですが、同じクラスの友人が自分と同じ失敗してしまったことにより、しょうがないよという気持ちが芽生え、友人を肯定し自分自身の失敗も肯定することが出来たそうです。
3.千寿子さんは大切な人?
- 過去の体験が今の人生にも影響
- まだ和解ができていない
しかし、同じクラスの隣の席の千寿子さんには、あの時、自分がトイレの失敗をしたことをいつまでも伝えることが出来ず、まだ和解出来ていない状態いないため、千寿子さんを今でも気にしたり、苦手意識をもっていたりしてしまうそうです。
この過去の出来事が、無意識に現在まで影響しているため、特定のシチュエーションや言葉に過度に敏感になってしまう時があるのだそうです。
実は、武藤はこのエピソードを奥さんには話されていないそうですが、奥さんにこの話をしても「しょうがないわね。」と受け止めてくれるはず、と話していました。
4.「こころの対話」を取り戻す方法 ‐パンスト‐
- パンクチュエーション(句読点の打ち方や間の取り方)
- ストローク(相手への尊重と素直な気持ちや期待(理解しようとする態度はプラスのストローク))
「こころの対話」を取り戻すためには、失敗や秘密等の心のカミングアウトや共有が必要です。しかし、話したくなければ無理に話す必要はないのですが、そのことで悩むなら言ったほうが良い時もあると武藤は指摘します。
また、話を受け止める側も、褒める、励ます、慰める等の言葉によるストロークや、うなずく、微笑む、なでる、さするなどの非言語によるストロークなどの、プラスのストロークを使用したコミュニケーションをできるだけとる事により、話し手が安心して話せる環境を作るこが大切だそうです。
言葉を区切る場所を変えてみたり、相手が考えたり、目が動いている時は聞き手は待つ等の間の取り方や、自分が話したら相手が話すのを待つなどストロークやパンクチュエーションを調整することも必要となってきます。
最後に、こころの対話を取り戻すコミュニケーション法をまとめると、心とは何かを知り、心の中のネガティブな部分をカミングアウトする勇気を持ち、話し合いをする際は肯定的なストロークやパンクチュエーションを上手く使うこと、話し合いが上手くいかなくても大丈夫と思えるポジティブな気持ちでいること、を心がけると良いコミュニケーションがとれるようになるそうです。
自分自身も何かをカミングアウトする時や、誰かのカミングアウトを受け止める状況になった時は、コミュニケーションのポイントを意識して対応できるようになれれば良いなと思いました。
2021年8月8日
事務局 AJ
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