「SNSを活用した相談事業について」の講演をしてきました
とある県に、「子ども・若者育成支援」に関する研修会の講師として呼んでいただき、「SNSを活用した相談事業について」というテーマで、約1時間登壇してお話をしてきました。
私たち東京メンタルヘルス・スクエアとしては2018年より始め、また筆者個人としては2016年より通信制高校スクールカウンセラーとして始めた「SNS相談(チャット相談)」について、実際に行ってみてどうであるのかについてお話させていただきました。
研修では、主に下記の内容を取り上げました。
□SNS相談とは何か?
□SNS相談の始まりと広まり
□子どもたちを取り囲むSNS・自殺に関する現状
□SNS相談事業ガイドライン(厚労省)
□SNS相談の特徴(メリット、デメリット)
□SNS相談における対応分類
□SNS相談における緊急対応
□SNS相談のコツ、難しさ
□SNS相談の事例(ガイドラインの事例集より)
参加された方々(子ども・若者育成支援の 関係者の方々)は、大変興味を持ってお話を聞いていらっしゃいました。
時間の関係もあり、必ずしも全て詳しくお話できませんでしたが、終了後、「もっといろいろと質問したかった」というお声もいただき、関心の高さがうかがわれました。
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研修内容についてはここで詳しくは ご紹介できませんが、私自身が壇上で話している中であらためて気づいたことを少しご紹介します。
それは「面接相談や電話相談と比較すると、SNS相談には不十分な点がいくつかある。けれども、相談する側の子どもたちにとっては、SNSにはその『不十分さ』を上回るだけの『利便性』があるんだ。だからこそ、これだけ多くの子どもたちがSNS相談を利用している、利便性が不十分さを上回っている」ということです。
実際、カウンセラーがSNS相談では不十分に感じて『電話に切り替えて相談しませんか?』と聞いても、ほとんどの子は『SNS相談がいい』と答えます。
その昔、私自身が私淑した國分康孝に言われた言葉があります。
國分康孝先生は昨年逝去されてしまいましたが、日本において、一つの理論・技法に偏らず、折衷的なカウンセリングを推し進められた第一人者の大先生です。その先生が言った言葉が、「クライアントの役に立つものならなんでも使え!」です。
その言葉、カウンセラーとしての心意気に私はいたく感銘を受け、あれから20年ほど経つ今もしっかりと心に残っている言葉です。
SNS相談については同業のカウンセラーからでさえ、「SNSで相談できるの?」「SNSで相談して、でその後どうするの? SNSだけでは何にもならないでしょ」といった声もあがっています。
私自身はそういう考え、見方もあるのだな、たしかに一面ではそういうところもある、と考えています。そして、是非一度SNS相談の現場の様子を見に来て、SNS相談をライブで感じとって欲しい、とも思っています。
そうしたことを考えつつ、國分康孝先生の心意気に負けないように、私自身も「クライアントの役にたつものならなんでも使え!」の心意気で、子どもたちがSNS相談を利用したいということであればSNS相談を使い、子どもたちの役に立てるカウンセラーでいることができるよう努力し続けていきたいと考えています。
2019年11月25日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセリングセンター長 新行内 勝善
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