夏休み明けの子どもたちの自殺と、いじめの二重の苦しみ
夏休み明けの子どもたちの自殺と、いじめの二重の苦しみ
~「言ってねと言ったから言ったのに、どうしてそれなのにわかってくれないの?」~
SNS相談を受けている中であらためて気づかされることがあります。
そのひとつを今回はお伝えできればと思います。
夏休み明け、とりわけ9月1日に子どもたちの自殺率が高いという悲しいニュースは、ここ数年多くのメディアで取り上げられています。
そしてその自殺に関わることが多いのが、いじめです。
いじめ被害の子たちは二重に傷ついている
私たちが子どもたちからのSNS相談を受けていて、あらためて気づかされたことは、いじめ被害を訴える子どもたちは二重に傷ついている、ということでした。
二重とは、いじめ被害そのものでの傷つきが一つであり、もうひとつは、いじめ被害を訴えてもそのことを親身にわかってもらえないことでの傷つきです。
もう少し説明を加えます。
「いじめにあったら言ってね」と優しく言う大人たち
いじめ被害を耳にしたまわりの人たちは、どのようにそのことを思うのでしょうか?
たとえば、次のように思う人は少なくないかと思います。
「どうしていじめを受けたのを言ってくれなかったの? 言ってくれればなんとかできたのに」あるいは、「言ってくれなきゃわからないよ、必ず言ってね」と。
このため、学校で子どもたちを守る総本山である文科省は「SOSの出し方教育」をここ数年、学校教育の重点目標として熱心に推進しています。
「困ったことがあったら、助けを求めよう」「誰でもいいから、とにかく誰かに相談しよう」
と、SOSの出し方の教育を進めています。
ただ、SNS相談を受けていてあらためて気づいたのは、いじめ被害を受けた子どもたちは、実際には周りに何らかの形でSOSを発信していたということでした。
SNS相談で聞かれたいじめ被害の子たちの声
相談の中から典型的な子どもたちの訴えを、以下に抜粋してみます。
「母に一度相談したが、あまりきちんと聞いてもらえなかった」
「先生たちや周りの人、誰もわかってくれない。周りの人みんな信用できなくて、生きていていいのかもわからなくなってきた」
「誰かに助けを求めても誰も助けてくれない」
「いじめを苦に自殺未遂したが、母からそのとき強く突き放された、まったくわかってもらえなかった。そのときの母の言葉が頭から離れない」
「小学校のときからいじめ。先生に言ったらみんなにバラされて余計にひどくなった。もう誰にも言いたくない」「それから学校に行こうとすると、腹痛や嘔吐」
大人たちは「何かあったら言ってね、なんでも助けるから」などと言います。
ただ、苦しんでる子どもたちの多くは、周りに言ったのに「わかってもらえなかった」と傷ついていってしまっています。
【言ってねと言ったから言ったのに、どうしてそれなのにわかってくれないの?】
こんな風に思った子どもたちの心は? と想像すると、どんなに絶望してしまったことだろうかと思えてきます。
孤立させないことと、人間不信にならないようにすることと
「言ったのにわかってもらえなかった」ことで、子どもたちは二重に傷ついていくのです。
そして、わかってくれない周りの人たちのことを信じられなくなり、人間不信になります。
「こんな思いをするくらいなら、もう誰にも言わない。言ってもわかってくれないし、逆にそんなのいじめじゃないなんて言われたら、もう誰も信じられない」となるのも無理もないことでしょう。
こうして被害を訴えた子どもは、大事な人間関係の中から抜け落ちて、孤立していき、口を閉ざしていってしまうことがあるのです。
「SOSの出し方教育」はとても大事です。ただ、それだけでは不十分であると言わざるをえません。
子どもたちにSOSの出し方を教育することと合わせて、「SOSの受け止め方教育」を周りの大人たちに進めていくことが、さらに大事であるだろうと考えています。
子どもたちを孤立させないために、子どもたちが人間不信にならないように、そして子どもたちのいのちを守るためにも。
*ここでは、相談に寄せられた言葉から書きましたが、実際にはまわりの大人たちにいじめ被害を伝え、そしてしっかりと受け止め、わかってもらい、解決したということも多くあります。ということも書き添えておきます。
カウンセリングセンター長 新行内
■こころのほっとチャット(SNS相談)
50分間の無料チャット悩み相談。相談は1日1回まで。QRコードはこちら
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Twitterでカウンセラーとお話ししませんか(2)
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談では、Twitterのダイレクトメッセージを通じてカウンセラーがお話しをお聴きしています。
最前線でお話を聴いている3名のスーパーバイザーにTwitterを通じた関わりへの想いを聴きました。
お2人目は賀澤SNSスーパーバイザーです。
匿名性が高いTwitterで、どのような人と話しているのか見えにくいのは相談に来られる方もカウンセラーも同じ。
だからこそカウンセラーが信頼されるように丁寧に関わろうとする真摯な姿勢をお届けします。
――LINEの相談とTwitterの相談、どんなところが違うと感じますか?
Twitterでのご相談をお受けするようになった当初は、LINEの相談とは少し違うかなと感じていました。
LINEは話し相手がいないと会話が成り立たないツールですが、Twitterは相手がいなくてもつぶやくことができます。それがTwitterの良いところだとも思います。
相談に来られる方もつぶやくことに慣れていましたので、相談したいのか、つぶやかれているのかがわからないこともありました。会話がスムーズに進まない事も多かったり、時間だけが過ぎてしまう事もあり、お話していただきたいことをうまく受け取れず、申し訳ない状態の時期もありましたが、今はこちらがTwitterに慣れ、改善されたと思います。
複数のアカウントも持てるため(裏垢、サブ垢、闇垢など)で本音をつぶやかれる方も多いと思います。その気持ちをこちらも察知して、お話を伺うことが大切だと思っています。つぶやかれる最初の言葉が、ドキッとするものもありますが、心を打ち明けてくれている証拠なので、キャッチボールのように、しっかりと言葉を受けとることが大事だと思います。
――1回目のキャッチボールを成立させるために、どんな工夫をしていますか?
最初にどう声をかけるかも、とても重要だと思います。会話を始めやすい、安心してお話いただけるような返信を心がけたり、事前にご相談内容を書き込んでいたいた方にはその相談内容に関するお返事を書いたり、カウンセラーと会話しやすくなる工夫をしています。
——Twitterで話される相談の特徴はなんでしょう?
心の叫びのような苦しみをダイレクトに表現されることも多いと感じています。心の底でずっと悩み続け、辛さから抜け出したいけれどどうにもならないこと、情報提供やアドバイスでは解決しないことが他の相談方法より多いようにも感じます。
私たちは、何でも話せる、相談に来られる方から信頼されるカウンセラーでありたいと願っていますので、ぜひ、お話にきていただければと思います。
——相談者さんにとって、Twitterを使って相談するメリットはどんなことでしょう?
手軽にアカウントを作成でき、複数アカウントを持てることや、、ツイートとダイレクトメッセージを使い分けることで、自分の心の引き出しをひとつのツールで可視化して使い分けできるのがTwitterの良いところだと思います。
誰かに言いたくてしかたがない事があるけれど、お友達やフォロワーが見ている場所で何でも話すのは躊躇してしまいますよね。そういうときは、「こころのほっとチャット」に相談して頂き、ご自分の引き出しのひとつにして頂けたらいいなと思います。
——これからTwitterで相談しようとしている人にどのようなことを伝えたいですか?
ニュースでも報道されている通り、SNS上で知り合った人とトラブルが起きる事件が後を断ちません。
不安なことがあって、Twitterで誰かと知り合いたい、話したいと思われたら、「こころのほっとチャット」のカウンセラーと知り合って欲しいと思います。
誰もそのつぶやきを読んでくれなかったり、心ない言葉を返されたりして、Twitter上で孤独を感じる人もいるのではないかと心配しています。
話したいことがまとまっていなくても大丈夫です。
そのつぶやきを「こころのほっとチャット」に聴かせてほしいなと思っています。
広報スタッフA
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Twitterでカウンセラーとお話ししませんか(1)
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談では、Twitterのダイレクトメッセージを通じてカウンセラーがお話しをお聴きしています。
最前線でお話を聴いている3名のスーパーバイザーにTwitterを通じた関わりへの想いを聴きました。
お一人目は新行内カウンセリングセンター長です。
Twitterの匿名性には、善にも悪にもなる両義的な性質があると言います。そのTwitterにあえて話ができる場を作る意味について話を聴きました。
――東京メンタルヘルス・スクエアでTwitterの相談を始めた思いを教えてください。
一言で言うと、Twitterで死にたい消えたいとつぶやく人が、そのままTwitterで相談できたらいいよね、という気持ちです。
――そのまま、ですか?
嬉しいとか楽しいとかのポジティブな感情は、FacebookやInstagramで出すことができます。
消えたいとか辛いとか、リアルや他のSNSでは言葉にすることがはばかられるような、でも切実な感情があふれているSNSがTwitterであると考えています。
私は、カウンセラーは相談が必要とされる場で役に立ちたいと思っています。だからネガティブで切実な感情に一番近いSNSであるTwitterに相談の場を作りたいという思いがありました。
――Twitterは「つぶやく」場所ですから、誰も見てなくてもいいという気持ちで書いているようにも思います。
そうですね、誰も見ていなくもいいのであればスマホのメモに日記のように残しておけばいいですね。それでもあえてTwitterでつぶやく。
本当は、誰かに見て欲しい気持ちがあるのでしょうね。見て、受け止めて欲しいというか。特定の人にメッセージを送る代わりに「つぶやく」時、そういう願いがあるように思います。その願いは、『#死にたい』のようなハッシュタグを使い、検索されやすくする行動にも現れているように思います。
――つぶやいてスッキリするだけの場所ではない、ということですね。
気持ちを言葉にして出すことは大切です。
ただ実は、その後がさらに大切で、言葉に出した思いを受け止めたり、汲み取ったり、理解する人がいると、もっと良い。ホッとした気持ちになれます。
最初は勇気を出して大切な自分の気持ちや悩みを身近な誰かに言えていた人も、聴いて欲しい相手が受け止めるどころか全否定したり信じてくれなかったりすると、余計に傷ついて、誰にも言えなくなってしまいます。
――信じてもらえない!そのショックは計り知れないものがあります……
最近、学校では「SOSの出し方」教育の重要性が言われますが、もしかしたらそれ以上にSOSの受け止めを方を教育していくことが重要かもしれないと考えています。
家族や友人、先生など周りの人が子どもたちの心の声を受け止められたら望ましいのですが、受け止める余裕がないこともあるでしょう。みんな自分自身のことで大変な思いをしながら生きていますから。
――受け入れてもらえない経験を繰り返して自分の気持ちを1対1で伝えることが怖くなってしまった人には、つぶやきはちょうどよいツールなのかもしれませんね。
伝えるのは怖いけど、それでも誰かに見て欲しい。文字にさえならない心の奥のほうにある感情がツイートの後ろに見え隠れしています。
そのような感情の受け皿でありたいし、どこかで誰かがそれを受け止めないと危険だとも感じています。
——危険、ですか?
自傷他害が疑われるツイートばかりしているとTwitter社から連絡が来て、さらに続けるとアカウントが凍結されます。
行き場をなくした気持ちは膨れ上がって追いつめられてしまう。Twitterでも行き場がなくなれば、さらに孤立しててしまう。そうして追いつめられた人は視野が狭まったり判断能力が落ちたりしやすいですから、通常の状態なら無視するような誘い文句に乗って危険な目に遭ってしまうこともある。これはなんとしてでも防ぎたい!と思うのです。
——視野が狭まっている時って自分では気が付けないですから。これ以上傷つかないためにも孤立しないことは大切ですね。
私はスクールソーシャルワーカーとして自傷行為を繰り返す子どもと向き合う時、「本当は自傷を止めて欲しいけど、ダメ!って言われるだけだと、あなたの大変な心の行き場がなくなって、本当に心がつぶれちゃうよね。でも心配だから、自傷をしたくなったり、してしまった時には、言える人には言うって約束して欲しいな。言える人は誰かいる?」
と言って、周りの人の目が届く場所に、その子が居てくれるようにはたらきかけます。
Twitter上でも、私たち「こころのほっとチャット」が「大切な心の声を言える人」になりたいと願っています。
――そのような人たちがTwitter相談に繋がるには、どうしたらいいのでしょうね。
以前、辛い気持ちをツイートすると「辛いときはここに相談してください」のような誘導表示がありました。
実際には本当に辛い時にこんな表示を見ても、その時は相談する気にならないかもしれません。でもね、その広告が頭の片隅にでも残っていて、いつか「あの時見たサイトに相談しようかな」と思ってくれたら良いと思ってます。
カウンセラーであっても、本人が望まないところで心をこじ開けるようにして悩みを聴くことはできません。自らの意志で話したいと思うことが、やはりとても大切ですから。
――実際、Twitterで相談を受けて、どのようなことを感じますか?
Twitterの大きな特徴が匿名性です。この匿名性には善だ悪だと言えない両義的な特性があります。
それを怖いと感じることもありますし、ありがたいと感じることもあります。
1つ目の怖いな、というのは、相談に来られた方がどんなに危険な状態にあっても、本人を特定して救助することが難しいかもしれないということです。
不確かな繋がりの中で話を聴くことは無謀なのではないかと思うほど、怖いと感じる時もあります。その一方で、匿名性が高いからこそ、思い切って危険な状態であることを話してくれたのだろうと感じる時もあります。
2つ目のありがたいな、というのは、リアルな場では表に出せないだろう言葉を聴けることです。
弱い気持ちや本音をそっとつぶやくこともできるし、攻撃的なことや八つ当たり的なことを大声で叫ぶこともできる。ツイートする人にとってはストレス解消の手段になる一方、その叫びで傷つく人もいます。ときにはその攻撃性がカウンセラーに向けられて、チクチクと痛むようなこともありました。
――善悪どちらの働きにもなる性質ですね。そのような怖さについて、どのように接したら良いと思いますか?
私たちカウンセラー自身がTwitterの特性、どのように使われているかを学んで、ときには実際に使ってみて、慣れていくことが大切だと思います。
このツールの特性を理解すれば、必要以上に恐れることも痛むこともなくTwitterを通して話が聴けますから。
――これからTwitterで相談しようとしている人に、どのようなことを伝えたいですか?
あまり構えずに、「少し話そう」くらいの気持ちでDMを送ってほしいです。
「相談」って、自分の弱さや出来ていないことを告白しなければいけないような気がして、身構えてしまう人もいるのではないかと思います。大袈裟に考えないで、いつもはつぶやくだけの気持ちを、今日はカウンセラーにも話してみようかな、と思ってもらえたら嬉しいです。
広報スタッフA
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疾患専門相談員へのSNSカウンセリング研修を行いました
疾患についての相談を専門とする相談員の方々からSNS相談を取り入れるための研修をしたいと依頼を頂き、研修をさせていただきました。
講師を務めた新行内に、研修を通じて感じたことを聴きました。
――相談員の方はどんなことに興味を持っていると感じましたか?
SNSを用いたチャット相談とはどのようなもので、どのよう進めているのかに興味をお持ちでした。
全国SNSカウンセリング協議会の「SNSカウンセラー能力要件」を事前に読み込んで、能力要件の中から特に研修してほしい技法をリクエストして研修を依頼されました。
――リクエストについて、研修内容で意識したことはありますか?
相談内容の事例を事前にいただいていました。それをできる限り踏まえつつ事例に対してカウンセリング技法を用いた場合の応答例を交えて技法を紹介しました。
――現場に即した具体的な対応例は、相談員の方々にも伝わりやすかったのではないかと思います。
その中で、一番伝えたかったことは何でしたか?
基本を大切にすることを、ぜひお伝えしたかったです。
どのような相談内容も「気持ちを受け止める」「気持ちを汲み取る」「相手の反応をよく見る」ことが基本になります。
“汲み取る”というのは、”共感する”よりもう少し積極的に相手に近づいていくプロセスです。
上手く表出できていない気持ちを汲み取ることができると、分かってもらえたと感じられ、本当に相談したいことを話しやすくなります。
――新行内さんが言いたかったこと、上手く伝わっていそうでしたか?
『専門相談員という立場上、疾患に関する情報提供も大切ですが、心理支援も大切と改めて感じました』と感想をいただきました。伝わってるんじゃないかなと思います。
――それは嬉しいですね!
一方で、私達カウンセラーが、専門相談員から学べることはどんなことでしょう?
SNS相談という新しい手法を取り入れようという意気込みを感じました。
せっかく研修をしてもらうのだから最大限吸収しようとされている。その勉強熱心な姿勢にはぜひ学びたいところです。
――興味深い質問はありましたか?
医師や病院に対する怒りやクレームの相談にどう対応しますか?という質問がありました。気持ちを聴くだけでは満足しない場合にどうするか、という質問です。
――専門相談ならではの事例ですね。新行内さんならどうしますか?
まずは聴いて、気持ちを鎮める、収めることです。人にとって気持ちの処理が一番難しいものです。
気持ちが引っかかっていると、先に進めないですから。
自分の気持ちを表現でき、それを受け止めてもらえる場所があることはとても重要なことです。
こちらがしっかりと寄り添って傾聴しても、怒りやクレームの気持ちが鎮まらなければ、次のステップとして医師等への事実確認といった具体的な方法を検討すると思います。
――どんなに医療を駆使しても思うように快復しない状況で、やり場のない怒りが医療に対する怒りにすり替わっていることもあると思います。
本当は医療への怒りではないとしても、カウンセラーがその場で指摘しても受け入れられないことがほとんどです。
それは当然ですが、こちらが力づくで否定できるものでもない。相手が大人の場合はもちろん、子どもの場合だって難しい。医師のように一定の権威ある専門家の立場からの指摘であれば、渋々納得することもありますが。
――そうですね、本人が自ら納得できないと。
当団体の武藤清栄所長は「諦める」という言葉を前向きな言葉として使います。
「諦める」という言葉の語源は、一説には「明らかにする」という言葉があるそうです。
できることとできないことを明らかにした上で、やっと「諦め」がつくことがあります。それができると、つまり諦めることができると、一歩先に進むことができるのです。その明らかにするプロセスを共に進めていくことが、私達にできることではないかと思います。
――最後に。今回研修をしてみて、率直な感想は?
いつもの研修は1人で行いますが、今回は研修講師を2人で行いました。手が足りないところを助けてもらい、想像以上にやりやすかったです。
――予想外の発見ですね。では次回から、研修依頼は講師2人組で呼んでいただきましょう(笑)
広報スタッフA
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第1部 12:00~16:00(受付は~15:00)/第2部 17:00~21:00(受付は~20:00)
※毎日実施。毎月最終土曜日は、12:00 ~ 翌21:00まで深夜早朝も受け付けています。
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NHKワールドJAPANでSNS相談が紹介されました
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエア広報スタッフAです。
多言語で日本のニュースを伝えるサイトNHKワールドJAPANの取材を受けました。
20名ほどのカウンセラーがZOOMミーティングを行っている様子とSNSスーパーバイザーへのインタビューが、英語のニュース動画で紹介されました。
【掲載記事】
Coronavirus Triggers Mental Health Crisis(NHK World-Japan News)
インタビューを受けた賀澤SNSスーパーバイザーに「ニュースを通じて伝えたかったこと」をお聴きしました。
——ZOOMミーティングとNHK World-Japan Newsのインタビュー、お疲れ様でした。インタビューを受けられた感想を教えてください。
私は以前から外国人の方達に日本語や、文化を紹介しつつ生活をサポートする団体でボランティアをしていますので、日本の時事を英語で伝えるニュースサイトに東京メンタルヘルス・スクエアが紹介されて嬉しく思いました。
カウンセラーがいない国もありますし、日本や滞在国で働く上でのヒントになるかもしれません。コロナ禍でも沢山の外国人が日本で暮らしています。やむなく帰国された方も大勢います。また、帰国できなくなった日本人も世界中にいると思います。そのような方たちにも私たちの活動を知ってもらい、少しでも元気になっていただくきっかけになればと思っています。
——ZOOMミーティングではどんな話しをされたのですか?
SNSのカウンセラーをしていて、良かったこと、困ったこと、気になることと、体験や疑問、提案等を話し合いました。「テレワークでのカウンセリングは初めてでしたが何とか出来ました!」という方もいらっしゃり、良かったですね!と喜びました。
多種多様な経験値をお持ちのカウンセラーたちが、お互いの経験を共有する良い場になったと思います。
——多数の相談に対応するため、カウンセラーを増員していますからね
コロナ禍でカウンセラー自身がストレスを抱え込んで、仕事が続けられなくならないか、気にはしています。
私自身も心身共に健康であるよう気をつけていますが、コントロールはいつもうまくいくとは限りませんから、ZOOMミーティングで気持ちを共有することが予防になったら良いなと思います。
——英語で公開される記事についてのインタビューでしたが、多国籍の視聴者を意識してると感じる場面はありましたか?
取材は日本語で受けました。私たちの思いが正しく公開されるように言葉を慎重に選んで話したのですが「全て英語音声に変換して放送するので、楽に話してくれて良い」と言われて、英語ニュースならではの取材方法だなと思いました。
——面白い質問はありましたか?
リーマンショックの時と比べて何が違いますか?という質問がありました。比較したことがなかったので、面白い質問だなとは思いました。
かつて証券会社で仕事をしていたので、日本経済に関してどうか?ということも一瞬頭をよぎりました。
——リーマンショックとの比較という視点は新しいですね。どう答えましたか?
12年前はSNSで相談するという方法はほぼありませんでした。今はSNSで相談できることも広く認知され、カウンセリングの敷居も下がったと思っています。辛い時に気軽に相談できる場所が増えたことは良いことだと思います。
また、ZOOM等ビデオ会議で今回のように支えあうこともできますし、仕事を続けることもできることが違うとは答えました。
コロナの終りが見えない状況ですが、カウンセラーとしては良い面を見るようにしたいと思っています。
——実際に公開された動画を見て、どう思われましたか?
カウンセラーが深刻そうな顔をして話しているシーンが多く使われたと思いました。コロナ禍に限らず、カウンセラーが落ち着いて話しているシーンを公開してもらえるともっと良かったと思います。相談される方には安心感が伝わると思います。ただ、マスクも着用していますし、笑顔のシーンもテーマにはそぐわなかったのだとは思いました。
ニュース動画を見た方がSNSで相談に来られる時は、カウンセラーもご自分と同じように困ったり、怒ったり、人間として普通であって、気持ちを分かり合えると受け取っていただければと、今は思っています。
——ニュース動画では「相談者さんがパニック になっている時の対応」について話されたシーンが公開されました。
他にも色々話をしましたが、使っていただいたのは1点でした。
コロナの影響で不安が大きくなりすぎている方へのサポートなどをお話しました。動画を見ていただく方に伝わっているといいなとは思います。
——ニュース動画を見てくれる人に、一番伝えたいことは何ですか?
どうか1人で無理しないでください。
いつでも、違う国からでも、相談してください。
そういう気持ちで相談をお待ちしていることが、ニュース動画を見てくれた方に伝わってほしいと思います。
また様々な不安や困難を1人で抱え込まないために、ZOOMミーティングなどビデオツールを使って誰かと話題や気持ちを共有するという方法を、日常生活でも活用して欲しいと思います。
広報スタッフA
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AERA「コロナ禍の子ども」について取材を受けました
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエアの広報スタッフAです。
一行コピーが印象的なニュース系週刊誌「AERA」の取材を受けました。
テーマは「コロナ禍の子ども」。
日々報道されるコロナ関連ニュースの裏で報道されない被害に遭っている子どもたちに、スクールソーシャルワーカーとして活動中の新行内がどのような想いで関わっているか、インタビューしました。
――AERAって、守備範囲の広い週刊誌ですよね。どのような目的で取材に来られたのでしょう?
「子どもたちは3月以降のコロナ禍において家にこもることが多くなり、ネットやSNSへの接触も増えたと思われれます。危ない目に合いそうになったり、実際に会ってしまったり、被害が出た(例えば性的な画像が拡散される、誘拐、強制わいせつ、ネット自殺など)などといった相談がSNSで増えていないか、その被害を防ぐためにどうしたらいいか意見を聴かせてほしい」という問合せでした。
――その問い合わせ、どう思いました?
「ネットと子ども」というAERAさんのテーマ、大変興味深いと思いました。
私にとって小中高の子どもは普段の相談で関わることの多い世代であり、ネット社会の動向や事件にも興味を持っています。
――新行内さんご自身も、ネットで事件を体験したことはありますか?
事件というほどではありませんが、SNSで失敗して怖いをしたことが何度もあります。
本名を出さずに完全プライベートのSNSで弱音とかを呟いていて、全く悪気はなかったのですが、ルール違反と受け取られる言動をしてしまったこともありました。それ以来、プライベートな内容をSNSで発信することは止めました。
――匿名になったつもりでも特定される恐れがある。SNSの怖い部分の一つですね。
それでもSNSに夢中になる心理は理解できます。SNSが悪というわけではなくて、必要とされている面もありますから。
――必要とされるのはどんな面だと思いますか?
今まで出せなかった声が出せることですね。
SNSは声の小さい人たちが自己表現できる場所、繋がれる道具になる。遠くの人とも匿名でつながることができる。それを必要としている人は少なからずいると思います。
――危険や被害を防ぐために、どうしたらいいのでしょう?
取材のときは6つお話しました。
(1)子どもたち自身が自衛力を身につけること
SOSの出し方、ネットリテラシー、困難に対して悩んだ上で答えを出す力を身につけられるように、学校や親が教育していく必要があります。
(2)親や教師が見守る
現実世界で目をかけてもらえない子がインターネット上で注目されているように感じると、不純な動機を隠した誘いにも応答してしまう傾向があります。
そうならないように見守り、ひとりにさせないことが大切です。
(3)周りが目をかける、声をかける
リアルなところでさみしさや満たされない気持ちを抱えて、心に隙間が空いている子たちに対して、悪意ある人が使う声かけの常套句は「相談に乗るよ」。この言葉を優しくかけられると、心の隙間にすっと入ってしまいます。
その前に周りが声をかけ、相談に乗ることが予防になります。
――私たちも「相談」が彼らの役に立つと信じてSNS相談の場を提供しています。
同じ言葉も悪意を隠して使うと、子どもたちを被害に遭わせることができてしまう…‥なんだかショックです。
(4)危険性の周知
これはマスコミの役目ですね。こんな危ない事件が起きた、皆さんこういうことに気を付けましょう。そういう注意喚起をどんどん発信して欲しいです。
(5)セキュリティシステム
フィルタリングサービスや子ども向け機能制限ができるスマホなど、システムで守れるところは活用した方がいいです。
――子どもは、親が思っている以上にデバイスを使いこなすことも多いので、親にも子どもを守るための知識が必要ですね。
(6)スマホの制限
事件に巻き込まれることがなくても、スマホのやりすぎは良くないです。学力、体力、視力の低下、ネット依存のリスクもあります。
ですから親子でスマホを購入前に話し合ってルールを決めることが大事です。ルールが守れなかったり、子どもが危ない目に遭いそうになったら親が介入できるようにすることも必要です。
――SNSで危ない目に遭ってしまい相談に来る子どもに、新行内さんならなんと声をかけますか?
「大変だったね、大変な目に遭ったね」のように声をかけます。
子どもは親や教師に怒られているかもしれない。怒られなかったとしても、自分で自分を責めている。それはかわいそうだし、誰かに責められるのもつらいですが、自分に責められるのが一番辛いと思うんです。だから、その辛さや大変さを理解しようとします。
危ない目に遭うような行動をしてしまった理由を聴いて、理解するように努めます。子ども自身が何故その行動に走ったかを理解できれば「どうしたら良かっただろうね?」と、話し合うこともできます。
――新行内さんらしい受け止め方ですね。
小学生〜中学生くらいまでは、この関わり方で被害を防止できることが多いです。
しかしそれよりも少し上の年代になると共依存のようになって、なかなか被害が終わらないこともあります。相手のことを「彼氏」「彼女」と認識して付き合っていると、騙されて性被害に遭うのとは少し意味合いが違ってきますから。
――そういう子どもには、どう関わるのですか?
少なくとも、見放すことはしません。スクールソーシャルワーカーと本人の関係を維持しておくように努めます。つながりがあれば、困ったことがあった時や危ない目に遭った時にサポートの手を差し伸べられますから。
――どういう子どもたちが、そのような被害に遭ってしまうのでしょうか。
日常生活で他者との関係が希薄な子は、危ういと感じます。
そういう子たちは、ソーシャルスキルを構築できていません。他者と関係を作る力、断る力、はぐらかす力、ごまかす力が育っていません。
さらにリアルで関係が希薄であるがゆえに、ネットでの関係をとても大切に思っていて切れるのが怖い。だから嫌なことを言われても断ることができずに言いなりになってしまう。
――ソーシャルスキルを育てるには、どうしたらいいのでしょうね。
本当は、家庭や学校、友達などとの関係の中で学んでいけたらいいと思います。もしそういう関係がなくて危険な目に遭ってしまった子たちには、今回の教訓から少しづつ学んで欲しいなと思います。
――カウンセラーには、どんな関わりを心がけて欲しいと思いますか?
自分のしてしまったことに後悔している子は、相談に来るとき相手の様子を伺っています。ちゃんと聴いてくれるのかな?また怒られるかな?と不安に思っていることが多いです。ですから、責めない、否定しないで聴いて欲しいです。
そのあとで、同じ目に遭わない方法を、ひとりの大人として子どもたちに教えてあげてください。そのためにカウンセラーにも正しい知識を持って欲しいです。
――取材を通じてAERA読者の方に本当に話したかったことは何でしたか?
危ない目に逢ってしまった子には事情があるのです。寂しさとか、愛情をかけられていないとか、断れないだけの事情が。
そういう事情や背景をわかろうとして欲しいです。
ダメなことはダメだよと叱るのはもちろん大切ですが、それだけでは根本的には解決しない。
そのことがAERAを手に取った人に伝わり、子どもたちへの理解が深まり、結果として子どもたちが危険な目に遭わないようになっていくことを願ってやみません。
【掲載記事】
◆雑誌
AERA 2020年7月6日増大号「裸の「自撮り」を送る危険」
◆WEB
被害に遭うのは「学校では目立たない子」? 中学生のSNS通じた性被害が急増(Yahoo!ニュース)
「裸の写真」送ってしまう子どもたち 背景につながり失う恐怖、「断る」スキルの欠如も〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
広報スタッフA
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第1部 12:00~16:00(受付は~15:00)/第2部 17:00~21:00(受付は~20:00)
※毎日実施。毎月最終土曜日は、12:00 ~ 翌21:00まで深夜早朝も受け付けています。
■お話しパートナー(50分3,000円の傾聴カウンセリング)
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Zoomお話パートナー(オンラインカウンセリング)をはじめました
Zoomお話パートナー(オンラインカウンセリング)をはじめました
2020年4月8日、それまで試験的にしか実施していなかったZoomを利用したお話パートナーの開始に踏み切ることを決めました。
新型コロナウィルス感染症への対策として緊急事態宣言が発令され、その日までなんとか継続してきたオフィスでの対面カウンセリングの継続をこの日に断念。
代替策としてZoomお話しパートナー(オンラインカウンセリング)の開始に踏み切りました。。
新型コロナウィルス感染症の広がりとともに検討を開始したZoomお話パートナー。
これまでの間で最重要課題だったセキュリティの確保は目処が立ち、あと残った課題は安定したネットワーク環境の確保とカウンセラーの機器操作の熟練。
この点にはやや不安が残っていたものの、カウンセラーとご利用者様の安全を最優先し、それでもどうにかしてカウンセリングを受けたい方に提供を継続したい。
その想いは皆共通で、何度も話し合って決めた結論が、セキュリティを確保できるのであれば、Zoomお話パートナーの開始に踏み出すことでした。
件数を抑えながらスタートしたZoomお話パートナー。
ミスを起こさないよう、ご利用者様に不安な気持ちを与えないよう、慎重に一つひとつ進めていきました。
しかし日本全体でネット回線利用量が急増したためか、普段より不安定になっている通信回線。まだまだ不慣れなカウンセラーや運営側の機器操作のミスでご迷惑をおかけしたことが何度かありました。
大切なカウンセリングが途中で中断し、カウンセラーも運用メンバーも顔面蒼白で継続のために走り回りました。
数分で復旧はしたものの、カウンセリングは流れがとても大切、途中で中断してしまったご利用者様には本当に申し訳ないことをいたしました。
そして今は6月下旬、新型コロナウィルスの新規感染者数は減少しつつあります。
県をまたぐ移動も緩和され、レジャー施設も再開され始めました。
私達のお話パートナーも、消毒と換気を徹底、クライアントとの間にアクリル板を設置し、双方マスク着用をすることで、対面カウンセリングを再開しました。
まだまだ不安が残る中でも、久しぶりにお会いした時に見せていただく御利用者様のホッとしたような笑顔。対面カウンセリングもやはり大切だなって思う瞬間です。
しかし、新型コロナウィルスがなくなったのではなく、特効薬もワクチンも開発途上。
まだ数ヶ月、場合によって数年間はこの新様式の生活を継続しなくてはいけないことでしょう。
そんな環境の中、無料の悩み相談、低価格のカウンセリングを継続していくことが私達に求められ、そして私達ができる大切な活動だと思っています。
Zoomでのカウンセリングでは、機器のトラブルが起きたり、対面における同じ空間だからこそ共有できる共存感を失ってしまったりなど、対面ではないデメリットもあります。
でも、クライアントがカウンセリングの途中で、趣味の作品をそっと見せてくださるなど、在宅だからこその発見もあり、オンラインカウンセリングの素晴らしさも日々感じています。
何より、これまでは池袋に来ていただける方だけにしかご利用いただけなかったお話パートナーが、今では北海道から九州まで広い地域からお問い合わせを頂けるようになったこと、そして対面と殆ど変わらないカウンセリングをしながらも感染リスクを最小限に抑えられることが、とても大切な宝物だと思っています。
1日も早くコロナウィルスがない生活に戻りたいと切に願っています。
でも、この機会に開始したオンラインカウンセリングの「Zoomお話パートナー」、感染リスクを下げながら日本中の皆さんとお会いするための方法として、これからも大切に成長させていきたいと思っています。
事務局 みずぬま
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SNS相談(9) TMSとSNS相談の次ステージ
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(9)TMSとSNS相談の次のステージ
SNS相談利用者の皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしています。
最終回はTMSとSNS相談の次のステージについてです。
――SNS相談で、次にやってみたいことは何かありますか?
カウンセラーと話すことがもっと自然になってほしい。生活の中に溶け込んで行きたい。翻訳機能等を使って海外の人とも話してみたいですね。
――カウンセリングが日常的になると良いということでしょうか?
日常にカウンセリングを持っていく、というほうが近いかな。たとえば、友達どうしでやってる雑談。
友達同士でLINEとかやったりしてるでしょ、それはそれでいいとして、カウンセラーという専門性がある人といろんなところでもコミュニケーションを取ってみたいというのが広まっていくといいなと思います。
こんなに聴いてもらえるんだ、おもしろいんだということが拡散していく。
最近の技術を使って、使用言語のちがう方ともカウンセリングができると、もっとカウンセリングが拡散しますよね。
そういうのができると面白いかなと思います。
――TMSの次のステージについてはいかがでしょう?
私のTMSに期待していることは、日常で起こっていることと心理学とかカウンセリングという形で結びつくというか、貼り付けていくことです。
心理学ではこうするとわかるよ、というような解釈をするとか。あるいはカウンセリングの中に日常性を見るとか。どっちでもいい。
そういう形で進めていくとTMSが発展すると思っています。
それかあと本音ね。
本音を表現しても構わない世の中、その一歩手前がSNSだと思います。
今は割と秘密主義でやってるけど、そのうち秘密をそんなに作らなくてもかまわないという世の中になっていくんだろうなと思っています。
――そんな世の中になったら、楽でしょうね。TMSがカウンセリングの垣根を低く身近にする手伝いというか、一石くらいは投じるところになるといいなと思います。
そのときは、ぜひユーモアも広めて欲しいね。
――承知しました(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。TMS所長の想い、感じていただけましたでしょうか。
私たちの活動に興味をお持ちいただきましたら、SNS相談を是非ご利用ください。
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(10)所長のテクニック:限られた時間でカウンセリングをするヒント
武藤所長のインタビューでは、カウンセラーに向けて、より良いカウンセリングを行うヒントを多くいただきました。その中で、1つだけご紹介します。
カウンセラーを志している皆さん、何か感じることがありましたら私たちと一緒にカウンセリングを学んでみませんか?
――せっかく相談に繋がったのに、50分のSNS相談では物足りないと感じるクライエントさんもいらっしゃいます。所長ならどんな工夫をしますか?
一番有効かなと思うのは、その50分を、振り返ることなんだよ。どのくらい話ができたか聞いてみる。こういうのを、メタ認知的なカウンセリングって言います。
――メタ認知的なカウンセリング、ですか?具体的にどういうものなのでしょう?
メタというのは「高い視点から」という意味。自分が受けたカウンセリングについてどう感じているか、自分自身で振り返って、カウンセラーに向けてフィードバックしてもらうことです。
――物足りないと言われたら、どうしたらいいのでしょう?
もし50点くらいだったと言われたら「あ、そう、あとの50点はなんだったかな?」と聞いてみる。そうやって共有できない題材があったことを確認する。そして、その題材は取り上げないまま終わる。
――不足だ。ということを、ただ共有する。
時間に限界がある場合は有効です。言えないこと、わかってもらえなかったこと、時間が来てしまったから仕方がないなと思ったこと、いっぱいあったでしょうね、と言うだけでも、共感的になる。
次回のカウンセリング予約ができる場合は、今日話し足りなかったことを次回の題材にすることを予告するのも、いい方法だね。
――クライエントやカウンセラーが後で振り返るのではなく、カウンセリングの場の中で一緒に振り返るのですね。
そう。話が終わってどうですか、言い足りないことありましたかね、何か気づいたことありますかね。また相談したいと思いましたか?もういいやって思いましたか?って。私としては聴きにくいんですけど‥‥と前置きしたり。最後の一言を付け加えられたら、ユーモアですよね。
――私だったら、あなたのカウンセリングは50点でしたなんて言われたら傷つくから聞けないと思いますが、「ちょっと聴くの怖いですけど」とつけたら、言えるかも。
そう、やると身に付く。やってみて。
2020年6月14日
広報スタッフA
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日経新聞のテレワーク写真取材を受けました
先日の電話取材に続き、カウンセラーが自宅でSNS相談を行っている様子の写真取材を受けました。
協力したいと手を挙げてくれたカウンセラーにお話をお聴きしました。
——在宅SNS相談の写真取材に手を挙げられた経緯を教えてください。
新型コロナがなければ、ここまで実現される事もなかっただろうテレワーク。
こうして自宅からでも心理相談・支援ができることが少しでも広まってくれたらと思い、手を挙げました。
——在宅SNS相談の一番のメリットは何だと思いますか?
悪天候、非常時のように相談者さんが支援を必要とする時に支援できる事だと思います。
――自宅取材を受けてみて、カウンセラーの個人情報に配慮してくれたなと感じた点はありますか?
記者の方が、スマホで撮った写真をその場で見せて確認を取って下さったことです。
自分は相談対応中でしたので、ざっくり確認しました。同席された新行内さんがもう少ししっかり確認してくださっていたと思います。
――自宅訪問を受けてみて、想像と違ったところがあったら教えてください
そうですね…コロナ自粛直後で、暑い日中に車でなく電車でいらしたことに驚きました。
ただでさえ夏日で、マスクをつける事でさらに暑く…来訪された当初は暑さで顔が真っ赤でした。
ZOOM取材も増えるなか、それでもこうして現場を大切に考える記者さんもいることを実感しました。
――テレワークの取材を受けた感想を教えてください
私にとって、テレワークはコロナの前から身近な風景でした。
私の父は自宅で仕事することが多かったですし、 私自身もここ10年、自宅や外出先でも書類作成・メールや電話での対応を多用してきました。
記事や写真を通じてテレワークの認識が広まり、コロナ前よりも一層の活用・発展につながることを願っています。
貴重な機会を頂きありがとうございました。
広報スタッフA
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新行内カウンセリングセンター長が日経新聞の取材を受けました
こんにちは。
東京メンタルヘルス・スクエアの広報スタッフAです。
新行内カウンセリングセンター長に、日経新聞の取材について感想をお聴きしました。
SNS相談を通じて『一つでも多く何かを残したい』と願い走り続ける新行内の想い、ご一読ください。
——日経新聞さんからの取材は、いつ頃決まったのですか?
6/4に連絡があって、6/5に取材を受けました。
——スピード感のある申し込みですね。
30分程度の電話取材でしたから。
アポイントを取って取材というのではなく、電話で今すぐ話が聞きたい、という感じでした。
――取材申し込みをいただいて、どう思いましたか?
マスメディアを通じて私たちの活動を広く社会に知ってもらう機会は、とても貴重だと考えています。
困難や悩みを抱えた人に知ってもらい、克服していくきっかけになれれば、これ以上のことはないと考えています。
そのために、取材には最大限協力していきたいと考えています。
――SNS相談という方法があること、必要な人に届いて欲しいという思いですね。
取材を受けるときは、私たちの活動が正確に広まっていくように、正しい情報を伝えてきたいと思っています。
そのための資料準備に1日お時間を頂き、翌日にお話しました。
――取材はどのような雰囲気でしたか?
記者さんの質問に答える形で進みました。取材は会わずに済む電話形式でしたが、可能なら在宅相談中カウンセラーの写真を撮りたいと要望され、写真で伝えたいという思いを感じました。記事だけよりも、写真があった方がリアルに感じられるからだと思います。
――カウンセラーの自宅を撮影するのは、ハードルの高い依頼だと思います。
ここが取材を受ける難しさですが、正確・リアルに伝えることと、相談のプライバシーを守ることは同じくらい重要です。相談内容だけでなくカウンセラーの個人情報の保護も含まれます。テレワーク中の写真撮影に協力できるカウンセラーを社内で募ったところ、予想に反して複数のカウンセラーより協力したいという声をいただきました。
私たちはプライバシー厳守のため、取材時に相談画面を撮影することを禁止としています。カウンセラーの個人情報も守りながら、テレワークの現場がリアルに伝わる記事ができることを楽しみにしています。
――記者さんから、興味深い質問はありましたか?
カウンセラーの健康を守るためにどのような対策を取られているのかという質問がありました。
組織で働く人を読者に多く持つ、日経新聞さんらしい視点の質問だなと思いました。
特に、他の相談窓口が中断・縮小しているなかで、東京メンタルヘルス・スクエアはどのように相談を継続しているのか?ということに関心があるように感じました。
――相談体制にフォーカスされるのは珍しいですね。
これまでは、コロナでどのような相談が増えましたか?といった取材が多くありましたが、こういった取材は初めてで、貴重に感じました。
というのは、大変な思いをする方が多くいる危機的状況下だからこそ、決してSNS相談は中断してはならないと切実な想いを持って、継続するために最大限に努力を重ねてきたからです。
――他の電話相談やSNS相談窓口には、相談を中断、短縮しているところもありました。
相談員の安全や社会の要請を考え、歯がゆい思いをしながら中断・短縮せざるを得なかった機関も多くあったと思います。
実際に、他の機関が休止していた4月―5月、こころのほっとチャットの相談件数はこれまでで最も多い数となりました。
――相談内容については、どのような事例を紹介されましたか?
経済的な相談、勤労者に関する相談を中心に紹介しました。
仕事がなくなった、減った、というコロナが直接影響する相談だけでなく、外出自粛中の家庭という密閉空間で「コロナで仕事がうまく行かない」「株で損をした」等のストレスが加わって問題が起きるといった、コロナが間接的に影響する相談も紹介しました。
――組織で働く皆さんも、コロナへの対応に試行錯誤していると思います。
組織に関する相談事例として、新入社員が入社した途端にテレワークになって不安に思っている事例も紹介しました。
モチベーションが保てず仕事を辞めて田舎に帰りたいけど、色々な事情で帰れない。そういう苦しさ、大変さもありますよね、という話をしました。
――今回の取材で1番話したかったことは何でしたか?
相談を継続するため、私たちが行っていることを知ってほしいと思って話しました。
テレワークを実現するためのプロジェクトを立ち上げ、課題を洗い出し、対策を決めて実践し、カウンセラーとスタッフが協力し合って相談を継続することができました。
多くのトラブルに遭いながらもテレワークも活用しSNS相談を継続したことをお伝えできていたらいいなと思います。
実際にテレワークを2か月運用してみて、新たな課題も出てきています。これらについても引き続き対策を検討しています。
――今後のSNS相談について、今の新行内さんが思っていることを教えてください。
コロナに関する相談、特にコロナが引き金になって起きる家庭や職場、人間関係の悩みは続くでしょう。
メディアを通じてSNS相談を知ってもらいたい。
人に会い辛い状況でも悩みを話せる場として使ってほしい。
そのためにSNS相談を継続していきたいと思っています。
ただ、私自身は常に不安を感じています。何が不安かというと、SNS相談がいつまで続くか、ということです。
――直接会って話し辛い今だからこそSNS相談が必要とされているように思いますが、それでも不安を感じますか?
2018年にSNS相談を開始した当初には想像できなかったほど、SNS相談は必要とされています。
しかしカウンセリングの主な手法は、やはり対面相談でしょう。SNSが補助的な相談手段とは必ずしも思っていませんが、多くの人にとってSNS相談は「不完全な」相談手段です。
ですから、いつかなくなるのではないか、と不安を抱えています。
――SNS相談の立ち上げから中心となって関わってきた新行内さんならではの、不安と願いですね。
現在、当団体でSNS相談に関わっているカウンセラーは、関係機関である東京メンタルヘルス(株)のカウンセラーも合わせると150名近くにのぼる大所帯です。
私一人では何もできません。
スタッフやカウンセラーたちと協力して、何かを残していきたい、一つでも多くの何かを残していきたい。
そんなことを考えながら、走り続けています。
広報スタッフA
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