NHK「おはよう日本」~SNSカウンセリングの役割といじめ・自殺対策~
私の考えになりますが、SNS相談は匿名性が高く、LINEという馴染の深いツールを活用することで、対面や電話のカウンセリングと比べると非常に利用しやすいサポートだと思います。
少し話は変わりますが埼玉県の越ケ谷小学校では、田畑校長先生を初め、学校の先生方がコンケアという児童生徒の気持ちの波を知るための仕組みを中心に「いじめ、不登校、自殺0」という目標を掲げて、生徒の教育・指導に楽しく、温かく、そして真剣に取り組まれています。
その取り組みを見て思うのは、子どものことを真剣に想う大人がどれだけ多く関われるかが大切ではないか、ということです。
2019年9月8日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセラー/ファシリテーター 山本立樹
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フジテレビ「LiveNews iT!」で放送された「いじめに関するSNS相談」の取材内容
2019/8/27 フジテレビ「LiveNews iT!」より、いじめに関するSNS相談のカメラ取材を受け、放映されました。
取材を受けたのはフジテレビさんからでした。「LiveNews iT!」という夕方の報道情報番組です。
番組前日の26日にyoutubeで公開された「いじめにNO!」の動画に関する約3分間の報道の中でした。その動画は、夏休みが明ける子どもたちに向け、元メジャーリーガーの松井秀喜さんなど、世界的なアスリートらがコメントを寄せたもので、大きな話題を呼んでいるものだそうです。
その中で当社の様子やインタビューが放映されたのは中程とラストの2回、計1分弱のものでした。
放映の様子は、下記のフジテレビさんのHPにアップされていますので、よろしければご覧ください。
https://sp.fnn.jp/posts/00423059CX/201908271854_CX_CX
番組の様子は、上記ページなどで見ていただければと思いますが、以下、当日の番組では放映しきれなかった部分を中心に、インタビュー内容を抜粋してお伝えします。
<かなり早くからスタートした、当社のSNS相談>
フジTV:いつからSNS相談をやっているのですか?
NPO東京メンタルヘルス・スクエア カウンセリングセンター長 新行内(以下、新行内と略):当団体が本格的に始めたのは2018年3月からです。
ですが、SNS相談、チャット相談について東京メンタルヘルスが初めて行ったのは、2016年の秋からです。通信制の高校でSlackというチャットシステムを使ってスタートしました。
<SNS相談が多い理由は?>
フジTV:電話相談よりもSNS相談の方が多いということですが、どうしてなのでしょうか?
新行内:もちろんLINEがほぼ9割以上、中学生以上には普及しているということもあります。いまの子どもたちは、親しい人とLINE通話をすることはあっても、携帯電話や固定電話はめったに使いません。圧倒的にコミニュケーションにかける時間はSNSの方が多くなります。
そして、これだけSNS相談が多いというのは、「ながら相談」ができる、ということがひとつには大きいと思っています。電車に乗りながら「電話相談」はできませんが、電車に乗りながらSNS相談はできます。家庭のリビングでご飯食べながら電話相談はできませんが、SNS相談であればご飯を食べながらでもできてしまいます。このため、子どもたちにとってはSNSの利便性は高く、当然SNS相談も増えていっています。
<SNS相談に特徴的なこと>
フジTV:面接や電話相談とSNS相談との違いは何ですか?
新行内:もっとも大きな違いは、ノンバーバル(非言語)メッセージに関する情報が少ないということです。
面と向かえば、言葉を交わさなくてもその人の顔色や声色、あるいは服装や雰囲気など、その人のノンバーバルから非常に多くの情報が得られるのですが、一方、SNSではそういったノンバーバルな情報がほとんどありません。このため究極的には、SNSで言っていることが本当のことであるのか? といった裏づけが難しいことがあります。
このため、カウンセラーはそういったSNSの特徴を踏まえ、またSNSに合わせた相談手法も自由に駆使しながらやり取りをしていかなければ、うまく相談を進めていくことができません。
フジTV:となると、カウンセラーの方はやはり若い方が多くなるのですか?
新行内:そんなこともありません。子どもたちから見ると両親・祖父母世代にあたるカウンセラーも多くいます。そしてさらに、カウンセラーのキャリアはそれほど多くはないけれども、SNSなどITに精通した若手のカウンセラーも多くいます。
<SNSならではのイジメがある?!>
フジTV:SNSでのイジメだとどんなものがあるのですか?
新行内:写真をばらまかれた、グループに入れてもらえなかったといったものは、もちろんあります。
ほかに、巧妙だなというか進化しているなと思うのは、LINEのステータスメッセージというものがあるのですが、プロフィールに添える一言メッセージですが、そこを巧妙に使ったイジメというのもありました。容姿に関して、例えば「出っ歯」とか「気取ってんじゃねーよ」とか「何様のつもり」などとステータスメッセージに書いているのですが、誰のことを書いているのか名前は出しません。
そうではあっても、クラスの人など知っている人からみれば、「ああ、あの子のことを言っているのね」などとわかるような内容です。
しかしながら、イジメられた子が、イジメっ子に「ステータスメッセージで嫌なこと言わないで」などと指摘すると、イジメっ子は「は?何のこと? 別にお前のことじゃねーし」などと言って白々しくもごまかします。そこでそれを誰かに見てもらおうとすると、イジメっ子はもうそのステータスメッセージは消してしまっていて、ほかの内容に書き換えてしまっているので、証拠が残りません。
プロフィールのステータスメッセージは誰でもが目に見えるもの、つまり多くの人にさらされてしまうものであり、イジメ被害者にとっては大変屈辱的で許しがたい行為であります。
また、LINEだけではなくTwitterでもあります。Twitterは、ひとりで複数のアカウントを持つことができます。メインで使っている本アカウント(本垢)のほかに、趣味のものである趣味垢、裏の顔である裏垢、あるいは別垢など、さまざまなアカウントを持っています。
例えばTwitterでは、友達に公開している本垢では友好的なことを言っていても、裏垢の方ではひどい侮辱的なことを言ったりすることが少なからずあります。
<SNSの難しさ>
フジTV:言葉だけのやりとりの難しさもありますか?
新行内:あります。ノンバーバル情報で言葉のコミュニケーションを補うことができないため、慢性的な情報不足となります。そして、行きちがい・勘違い・妄想なども加わり、ミスコミュニケーションやトラブルにまでなってしまうことが少なからずあります。
加えて、SNSでは面と向かって言わなくて済む分、直接的な怖さが低減され、普段は言えないようなことまでも言えてしまうという側面もあります。
こうした特徴は、誰にも言えないことが言いやすくなるという側面でもありますので、相談にとっては利点となります。しかし、普段のコミュニケーションにおいては、いつのまにか乱暴な言葉使いとなったり、知らぬ間に相手を大きく傷つけてしまったりすることもありますので、注意が必要です。SNS相談では、そういったトラブル、傷つき体験について話す子どもたちも多くいます。
<SNSでのイジメ被害を防ぐため、親バカと言われても>
フジTV:SNSでのイジメを防ぐため、あるいは早期に発見して対応するためにはどうしたらいいですか? ここまで聞いてくると、SNSでのイジメを防止したり発見したりすることは非常に難しいようにも思えてきたのですが。
新行内:はい、非常に難しいですし、子どもにとっては大変言い出しにくいことです。
SNS相談の中で話を聞いていると、イジメの二次被害といったものがあり、子どもたちが二重に傷ついてしまっていることがあります。それは、イジメられたことを先生に言っても、「あいつがそんなイジメをするわけがない」とか「それは思い過ごしだろ」などと言われたり、親に言っても真に受けてくれなかったり、理解してくれなかったりといったことです。これは子どもにとっては非常につらいことであり、こうした体験を通して子どもたちは人間不信に陥ったり、心を閉ざしていってしまったりします。
ですので、もし我が子がイジメのことを話してくれたら、事の真偽を確かめるその前に、まずは子どもが言っていることをそのまま受け取り、子どもの大事な味方になって欲しいと思います。ほかの誰が何と言おうと、せめて親だけは我が子の大きな味方になっていて欲しいと思います。たとえ親バカと言われても、我が子がイジメ被害を訴えた時には、大いに親バカであってほしいと思います。それは子どもにとっては、非常に大きな力となり、勇気も湧いてくるでしょう。
2019年8月28日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセリングセンター長 新行内
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NHKシブ5時 広がる中高生の「SNSカウンセリング」
当団体は、その特集の撮影に協力しました。ただし、公共放送のため、「NPO東京メンタルヘルス・スクエア」という名称は一切出ていません。番組では、「昨年3月SNSの相談を始めた東京のNPOです」と紹介されました。
特集はおよそ15分間でしたが、前半の部分で、当団体の国広多美カウンセラー/スーパーバイザーが、当団体のSNS相談室内にてインタビューにこたえました。
この特集には若くて将来有望と思われる20代半ばのNHKディレクターの方が、熱心に制作に取り組んでおられました。
「まだあまり知られていないSNS相談を多くの方に知ってもらいたい」そんな思いで、そのディレクターさんは関わっておられました。
私自身は、昨夏はNHKの「首都圏ネットワーク」という番組にて「SNS相談」の取材にこたえさせていただきましたが、今回はその若くて熱心なディレクターさんと共に、裏方に徹して、カウンセラーやスーパーバイザーの調整など行い、番組づくりに協力させていただきました。
裏話を少しだけお伝えしますと、特集の中では5ー6分の放映でしたが、実際の撮影は、打ち合わせから始まり、トータルでいうと、20ー30時間を費やしました。今回放映されたのはスーパーバイザーひとりでしたが、実際にはほかに2名のカウンセラーとスーパーバイザーがインタビューに答えました。
こういったTVものは往々にしてそうですが、取材された中で実際に放映されたのはごく一部です。裏を返すと、それだけのエッセンスが放映された中には散りばめられていたといってもいいでしょう。
そのエッセンスとも言ってもいい放映内容から、以下、重要と思われた部分をいくつか拾ってみました。
1.「死にたいとかネガティブなことは、友達に嫌われると思って言えない」(虐待を受けた女子中高生)
とてもリアルな言葉でした。被虐待児の心理の一端が凝縮された言葉だと感じます。
そして、こういったとてもセンシティブな内容をも含め、多くの子どもたちにとって最も相談しやすい方法の一つがSNS相談といってもよいでしょう。
2.「顔の表情も声の調子もわからない心の内を探る」
ナレーターの説明からですが、SNS相談のポイントをうまく捉えた言葉でした。このポイントは何度か出てきて、「名前もわからない、顔も声もわからない、文字だけ」とも言っていました。
私自身もNHKのディレクターさんとのやり取りの中で、熱心な質問を何度も受けましたが、そんな中でもこのポイントが話題となりました。
3.「自分の悩みを人に話すことが苦手な生徒が増えている」(国広多美カウンセラー/スーパーバイザー)
当団体のカウンセラーであり、スーパーバイザーの国広多美がインタビューにこたえて話した言葉です。スクールカウンセラーを18年間やってきてのまさに実感です。私自身も同じことを日々感じています。
4.「短い文章から相手の感情や精神状態を探る」、そして「文字数や送信する間隔を相手に合わせ、少しずつ距離を縮めていくのです」
ナレーターの説明からですが、こちらもSNS相談のポイントをうまく捉えた言葉でした。相手と息づかいを合わせていく、そうして信頼関係を育んでいき、大事な大事な心の声を共有していきます。
5.「SNS世代が増える中、新たなカウンセリングをめぐる模索が続いています」
同じくナレーターの説明からですが、まさに今がその通りです。
SNS相談が子どもたち向けにはじめて行われたのは2017年の夏、長野県からでした。それからまだ2年しか経っていません。私自身はその前の2016年秋から、とある通信制高校のスクールカウンセラーとして、チャットで相談を始めました。それとても3年が経過したに過ぎません。
人間で2〜3歳といえば、よちよち歩きが上手になって、やっと自分で自分の行きたいところに歩き出していくことができる位の頃でしょうか。
このため、いまのSNS相談をもってして「これこそがSNS相談だ!」と言える状態まで達しているとはまだ思えません。おそらくこの先もSNS相談に関する試行錯誤は続いていくと思われます。そして、5年後10年後には今の面影を残しつつも、大きく成長したSNS相談の姿が見られるのではないかと考えています。
そのために、SNS相談のリードオフマンとして、当団体が果たしていくべき役割と責任は非常に大きなものがあると感じ、それだけでも身が引き締まる思いです。
2019年7月26日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセリングセンター長 新行内
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日本初 自殺者が最も多い「深夜・早朝」時間帯にSNS相談受付
2018年3月実施時には1ヶ月間で述べ2,500件あまりの相談が寄せられ、SNS相談へのニーズの高さを痛感しました。
「言葉を口に出さずに相談できること」を利点とする相談者も多く、「声にする」ことや「人前に出る」ことをためらっていた方々の相談に対応する手段としてSNS相談の有効性を実感しています。
【日本初、自殺者が最も多い、深夜・早朝時間帯のSNS相談実施】
最も自殺が多い時間帯(*2)は深夜から早朝の時間帯です。この時間に対応するため、本年2019年3月の自殺対策強化月間中のSNS相談では、毎週土曜夜から日曜朝にかけての、深夜・早朝の相談にも対応する体制を整えました。SNS相談での深夜から早朝の自殺対策での相談対応は、日本ではじめて試みとなります。(2019年3月現在、本法人調べによる)
人に言えない・口にできない悩みや「死にたい」くらい苦しい気持ちを、チャットで相談いただけます。相談にはSNS専門スキルを修得したカウンセラーが対応いたします。
【国内最多のSNS相談方法を採用 ~LINE、Twitter、Facebook、ウェブチャット~】
ひとりでも多くの「死にたい」という相談にお応えしていくために、LINEのほか、Twitter、Facebook、ウェブチャットと多種のSNS相談を実施しています。これだけ多くのSNSからの相談に対応しているのは、国内ではほかにありません。(2019年3月現在、本法人調べによる)
SNSの種類により相談者の属性や相談の傾向に違いがあります。多種SNSからの相談を受け付けられるようにすることで、多くの「死にたい」という相談にお応えしていきます。私たちはこのSNS相談を通じて当団体の理念である「話をちゃんと聴いてくれる人が傍にいる社会を作る」ことをさらに進めて行きます。
【SNS相談】こころのほっとチャット ~つながる、よりそう、やわらぐ~
<LINE> @kokorohotchat https://line.me/R/ti/p/@tch1397q
<Twitter> @kokorohotchat https://twitter.com/kokorohotchat
<Facebook> @kokorohotchat https://www.facebook.com/kokorohotchat
<ウェブチャット> https://www.npo-tms.or.jp/public/kokoro_hotchat/
【相談時間】平成31年3月1日~平成31年3月31日
平日 10時~16時 17時~21時 / 土曜 13時~日曜日19時 / 祝日 15時~19時
【相談時間と回数】
1回50分/1日1回まで利用可能
*1)自殺対策強化月間(2018年3月)SNS相談事業の実施結果(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12001000-Shakaiengokyoku-Shakai-Soumuka/0000204756.pdf
*2)「死亡曜日・時間別にみた自殺」厚生労働省『自殺死亡統計』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/4.html
2019年3月20日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセリングセンター長 新行内
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「自殺・不登校・いじめ」がない・温かい笑いのある学校 ~教育漫才で子どもたちが変わる~
これは、越谷市立越ヶ谷小学校の業間休みの校長室の風景です。
この日は、一緒に取組んでいただいている「いじめ・自殺・不登校ゼロプロジェクト」の来年度の取組の打ち合わせのために、同校の田畑校長先生とお打合せをしていました。
10:20頃にふいに校長室の扉が「トントン」と鳴り、ふと見ると小学1~2年生の子が顔をのぞかせて「校長せんせい、入って良いですか?」と、目をくりくりさせて聞いてきます。
「いいよ~」という田畑校長の返事とともに、「やったー」とばかりに次々と入ってくる小学生たち。
自分が作った俳句の修正を求める高学年、けん玉やコマ回しに興じる低学年、みんな思い思いのことをやりながら、「校長先生、見てみて」って声をかけています。
校長先生に抱き着く中学年の男の子、それをどかして膝に座ろうとする低学年の女の子。
元々は不登校傾向で教室に入れない児童の居場所作りのために、保健室と校長室を「いつでもだれでも来ていい場所」としたことが初めだったそうです。
それが徐々に広まって、学年関係なく、業間休みとお昼休みはみんな争うように校長室に訪れます。
田畑校長先生は「自殺・不登校・いじめ」の三つのなし学校・温かい笑いのある学校の創造を理念に掲げ、それを全力で取組んでいる先生です。
いじめがあれば、校長先生自らいじめた児童、いじめられた児童と直接会い、徹底的に話します。
学校に来られない児童がいれば、家庭訪問をして保護者と、その子に合った対処法をお互いに納得できるまで話し合い、そしてそれを実行しています。
「学校は教員で変わる、そして教員は、校長の取組で変わるんだ」そう信じて常に率先垂範を続けていらっしゃいました。
そんな田畑校長先生が、自らの取組を書籍にまとめました。
「教育漫才で子どもたちが変わる 笑う学校には福来る」です。
田畑校長先生の、若き教員時代の経験から生まれた信念「全員の子どもが揃ってこそ、初めて教育活動が始まる」。
田畑校長先生は頑なにこの信念を貫き、不登校生徒の人数が「平均以下だからよい」「少人数だからまあまあ」という考えを自ら一切認めず、たとえ一人であっても、その子の一生の問題として、真正面から取り組んでいらっしゃいました。
校長が信念を曲げずに突き進む姿を目の当たりに見て先生が変わり、学校が変わる。
ひたすらに、真剣に、頑なに。でも子供とは笑顔で楽しく、柔らかく接し続ける。
この本は、そんな田畑校長先生の愚直ともいえる教育姿勢と、その中で「いじめ」「不登校」をなくすための手段として最も効果があると思い、見つけ出した「教育漫才」の効果が書かれている一冊です。
決して「教育漫才のノウハウ本」ではありません。
いじめ、不登校をなくす、その為にはほっこりとした空気の中で、笑顔に包まれたコミュニケーションあるれる学校を創造する。
そのために何をすべきかを悩み、考え抜いた末にたどり着いた「教育漫才」。その過程を知ることこそが本誌の高い価値です。
「教育漫才」をすればいじめがなくなるのではない。先生、学校全体で「いじめをなくす」意思を持ったうえでの「教育漫才」だから効果が発揮される。そのことをこの本から学ぶことが出来ます。
ぜひ全国で、いじめや、不登校の生徒で悩んでいる先生方みなさんにこの一冊を読んでいただきたいです。
方法論は「教育漫才」でなくても良い。
真剣に児童・生徒と向き合い、全校を巻き込んで対策を全力で進める。
その姿に共鳴する先生が一人でも増えることを願っています。
『教育漫才で子どもたちが変わる 笑う学校には福来る』はAmazon、楽天ブックスなど各種ネットショップで購入できます。
教育関係者、保護者のみなさんにはぜひ読んでいただきたい一冊です。
2019年3月1日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
企画・広報局 みずぬま
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メンタルヘルスの「見える化」 いじめを『小さなとげ』の段階で解決する
2019年2月25日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
企画・広報局 みずぬま
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SNS相談(チャットカウンセリング)の1年
【2018年3月:大規模なSNS相談のはじまり】
厚労省の自殺防止対策として、SNS相談を実施することが決まったのは、今から1年前の2018年1月でした。
そこから準備を急ピッチで進めていき、1日10人体制でのSNS相談を実施したのは、その2ヶ月後、3月の自殺対策強化月間でした。
1日カウンセラー10人体制のシフトを組むため、そのおよそ10倍程度のカウンセラーが力を尽くしました。これだけの大規模実施は初めてでしたが、姉妹団体の東京メンタルヘルス株式会社からの多大な協力もありました。
3月のSNS相談は1日あたり約50件、1ヶ月間で約1,500件の「死にたい」をはじめとしたさまざまな内容の相談がありました。
SNS相談は初めてというカウンセラーもこの時点では多かったため、カウンセラーのトレーニングにもさらに力を注ぎ、指導者であるスーパーバイザーも強力にバックアップしました。
(2018年3月のSNS相談結果概要)
自殺対策強化月間における SNS相談の実施結果の分析:厚労省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18/dl/2-4.pdf
【2018年4月以降、全国各地よりSNS相談の依頼が殺到】
3月の厚労省のSNS相談の実績が、以降の活動の礎となりました。
2018年4月以降、これまで、以下のSNS相談を実施しています。
★SNSほっとらいん
★東北の自治体の教育委員会:小中高校生を対象としたSNS相談
★北日本の自治体の教育委員会:高校生を対象としたSNS相談
★中国地方の自治体:自殺対策としてのSNS相談
★関西の自治体の教育委員会:中学生を対象としたSNS相談
★こころのほっとチャット(SNSチャット相談):厚生労働省 2018年度下半期 自殺対策SNS相談事業
このように多くのSNS相談を実施していますが、現在SNS相談に関わっているカウンセラーは、姉妹団体の東京メンタルヘルと合わせて総勢約100名を擁しています。
【厚生労働省:SNS相談事業ガイドライン案作成に参画】
また、こういった実績のもと、厚生労働省より、「SNS相談事業ガイドライン案」作成のための作業部会の委員として声をかけていただき、当団体より理事が参画しました。
この作業部会の成果は今年度中には厚生労働省より発表される予定です。
【マスコミ報道、自治体関係者からの視察】
SNS相談の黎明といってよいかと思いますが、マスコミ各社もこの新しい動向に注目し、多方面からの取材がありました。
・BLOGOS
・毎日新聞
・J−CASTニュース
・NHK首都圏ネットワーク
・日本テレビ「News every」
・日本テレビ「news zero」
・福島テレビ
以上のほか、多数のマスコミからの報道や取材を受けました。
また、今後SNS相談を始めたいという自治体関係者や政治家などからの視察もありました。
これだけSNS相談の依頼が多く、注目を集めているということは、SNS相談とはいま時代が最も必要としている相談手段であるのかもしれません。
顔を合わせず、声も出さずに、文字だけで気軽に相談できるのがSNS相談です。
このような相談に対する意見は、賛否が分かれることもあるかと思われます。
それはともかく、SNSに相談を求める方がいる以上、私たちカウンセラーはその声をしっかりと大事にキャッチし、真摯に相談にこたえていこうと考えています。
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児童虐待に至る前に・・・
連日報道されている、千葉県野田市で起きた小四児童の死亡事件。なぜ、大人たちは小さな子どもの命を守れなかったのか‥とても哀しく、不甲斐なく感じます。今回は、組織の対応やありかたの観点ではなく、両親側へ思いを馳せてみたいと思います。
私は昨年、長男を出産しました。産前は、子どもが好きなら育児はどうにかなるだろうと楽観的に考えていましたが、いざ産まれてからは、毎日が楽しくもありますが、子育てはこんなに大変なものかと、ヘトヘトです。
産まれて間もない頃は、子どもが泣き喚く理由が本当に分かりませんでした。
抱っこしたり、おっぱい飲ませて、歌ったり、あやしたりしても、どうしても泣き止まない。「もう、一体どうすればいいの??」と子どもと一緒に泣いた日もありました。
そんな日々を過ごしていくと、段々と子どもの訴えが分かってくるようになりました。
それでも、慣れたと思っていても、毎日の休みがない育児には、疲労やイライラが少しずつ貯まります。
そのイライラは、子どもに対して、というよりは、自分が親として未熟なこと、うまく振る舞えないことも原因のように感じます。子どもに、本当は寛容に接したいけど、いつもそうできる訳がなく、余裕がないときはつらく当たってしまう。
今回の事件のDV、日常的な家庭内暴力やその見過ごしは決して許されることではありませんが、事件を起こした親も、二児の育児でイライラ、疲弊していたのではないかと想像します。
また、児童相談所での一時保護後、自宅へ子どもを強引に引き戻そうとした背景には、"子どもを自分のもとで、コントロールしたい、思い通りにしたい"気持ちが強く現れているかと思います。
もし、自分は親として未熟だということが、わかっていたら。
人を、子どもをコントロールしたくても、完璧にはできないと、わかっていたら。
周囲の大人に、育児の協力を求めることができていたら。
子どもの命は救えたかもしれません。
育児や介護で疲れている、家族とうまくいかないなどで悩んでいる、そんなときは、限界になる前に、東京メンタルヘルス・スクエアのカウンセラーを頼ってみてください。
ここには、寄り添って話を聞いてくれる人がたくさんいます。
なかなか自分の周りの人には言いづらいことでも、第三者へなら話せることもあります。
私も、自分ひとりでは抱えられないと少しでも感じたら、相談しようと思います。子どもと、家族のために。
2019年2月9日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
企画・広報局ボランティア ちさか
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2019年 新年に向ける想い
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
私たち東京メンタルヘルス・スクエアの理念は「話をちゃんと聞いてくれる人が傍にいる社会を創る」です。
この理念は年が明けても変わりません。
年始に当たり、「私たちが実施することは変わらない。何年たっても、愚直に歩み続けたい」と改めて心に誓っています。
2019年はこれまでの「話をちゃんと聞いてくれる社会を創る」ための活動を継続しながらも、先進的技術とニーズを融合させた革新的な試みに励んでいきます。
具体的には、
従来活動の相談業務として、「こころのほっとライン(無料電話相談)」、「お話しパートナー(低価格カウンセリング)」「こころのほっとチャット(無料SNSチャット相談)」について、増え続ける申込みに対応するべく、カウンセラー体制の増強と、内部の業務のICT導入による合理化を進めることでより多くのご相談を受けることが出来る体制を構築します。
プロジェクト事業としては、いじめ不登校自殺ゼロプロジェクト(学校における子ども達の教育・見守り・相談事業)、マリッジサポート(婚活、結婚生活、妊活、性生活、離婚防止等の教育・相談事業)をPR含めて積極的に推し進めます。
2018年に新しく始まったSNS相談は、厚生労働省から3月と下期の2つの事業を受託することが出来て、カウンセラー達が「つながり、よりそい、やわらぐ」をコンセプトに数多くの相談に真摯に向き合っています。
従来から実施してきた「対面式カウンセリング」「電話カウンセリング」と根っ子では同じカウンセリングではあるものの、今の時代に即した新しい可能性を秘めており、ここを強化していくことで、今の時代に必要とされていることを提供していけるのではないかとその可能性を強く感じています。
今年も次世代の生活スタイルを把握しながら、現実的な相談ニーズを満たせるよう邁進していきます。
最後に、スタッフ一同「こころに花を咲かせよう」のモットーのもと、一生懸命頑張って参りますので、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
2019年正月
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
専務理事 武藤収
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大人の発達障害講座 『カサンドラ症候群への 支援と脱却』
10月13日(土)に、スクエアの公開講座として、大人の発達障害講座 『カサンドラ症候群への支援と脱却』を開催しました。
外部講師としてお招きしたのは、大好評『旦那(アキラ)さんはアスペルガー』シリーズの著者である「野波ツナ先生」です。
野波先生は、“カサンドラの苦しさはまだまだ知られていない。もっと広く、この苦しさを知っていただいて、スクエアのような団体から支援の輪が広がってほしい”という想いで、講演の依頼をご快諾くださいました。
今回の講座の定員は40名でしたが、一般の方々からたくさんのお申し込みをいただき、参加者(カウンセラー・一般の方々)とスタッフを合わせると50名超となりました。
みなさん、真剣な眼差しで野波先生のお話に耳を傾けていらっしゃいました。
発達障害やアスペルガー症候群の概要・アキラさんの言動例・カサンドラ症候群の概要・野波先生ご自身のカサンドラ体験の詳細・医療や支援に関する情報など、盛りだくさんの内容について、漫画を引用しながら、実に分かりやすく伝えて下さいました。
講演後の質疑応答でも、とても丁寧にご回答をいただきました(ご質問がとても多く、一部のみのご紹介となってしまい、申し訳なく思っております)。
どの内容も心に残るものでしたが、次の2つのことは、支援者のひとりとして心に留めておきたいなぁと思いました。
*カサンドラは「関係性の病」。だから、加害者も被害者もいない。
*カサンドラからの回復に必要な力の源になるのは、「他者からの共感」。
本講座が、今まさにカサンドラで苦しむ方々の「力の源」や「希望」につながれば、また、その支援をしていただける方がお一人でも増えれば、と強く願っております。
最後になりますが、野波ツナ先生、株式会社コスミック出版のご担当者さま、ご参加いただいたみまさまに、心よりお礼を申し上げます。
東京メンタルヘルス・スクエアでは、カウンセラーの自己研鑽にふさわしいテーマで、また、一般の方々への情報提供の機会となるような講座を企画・開催して参ります。
講座を通して、みなさまと「つながり」が生まれることや、「こころがホッとする時間」を共有できることを楽しみにしております。
人財開発局ボランティアスタッフ 成合智美
-お願い-
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