中学校で「ストレスマネジメントと、タイプ別の生き方のコツ」について話しをしてきました

埼玉県越谷市の平方中学で「ストレスマネジメントと、タイプ別の生き方のコツ」について、生徒、保護者のみなさまにお話させていただきました。
これまで私たちは、心の授業を小学校や中学校、高等学校で十数回行ってきました。
1クラスから300人以上の全校生徒、保護者会など規模も対象も様々です。
中には保護者と生徒がペアになって講話を行うスタイルもありました。時間は通常1コマ’(50分)の授業で伝えられるようにしていますが、ご要望に合わせて2コマ(100分)で実施することもあります。
私は企業従業員対象の研修に長年取り組んできましたが、学校現場に立って毎回改めて思うことは、社会人になってこの学びを行うのではなく、せめて中学生の頃から、人生を生き抜く上で必要な分かりやすい説明のストレスマネジメント教育や、タイプ別などの自己理解・他者理解を通じて上手にコミュニケーションするための教育を子どものうちから学んでいくが必要性です。
授業を担当させていただく中で、感じることは生徒たちの真剣なまなざしです。
それは、普段から友人関係や勉強、部活、塾、家庭などで様々なストレスを感じて困ることがあるからだと思います。
上手くストレスコントロールができず、自分を責めて萎縮したり、他人を責めていじめ行動をしたり、おなかが痛くなったり、不安になったり、日々様々なストレス反応も出していることもあるのでしょう。
今回頂いたアンケートには、中学3年生から「今までのいろいろな講演の中で一番ためになった」保護者からは「親子共々ストレスが溜まっていたので、とても参考になりました」など下記のアンケートの通り評価を頂けました。また、同中学校で定期的に発行している「学校保健委員会だより」にも、当日の詳細な内容を掲載していただきました。(写真をクリックすると大きな画面になります)
メンタルヘルスに学校を上げて取り組んでくださっていることをとても嬉しく思っています。
私自身も子どもたちがすぐに実践できる分かりやすい心の授業をこれからも行っていけるよう日々工夫していきたいと思います。
子ども達の笑顔を増やすために教育・見守り・相談の活動をこれまで以上に頑張ります!!
2020年2月24日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア専務理事
いじめ・自殺・不登校ゼロプロジェクトリーダー
武藤収
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SNS相談 (6) SNS失敗談 二人三脚
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(6)SNS失敗談 二人三脚
SNS相談利用者の皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしています。
第6回は「SNS失敗談 二人三脚」についてです。
――SNS相談でこれは失敗だったなと思う事はありますか?
これはいいと思ってやったことが大変なミスで、事務局のほうまでクレームが来たことがあります。
あるカウンセラーが対応している途中でカウンセラーから相談を受けて、一緒にカウンセリングに入った時、私が行った言葉をカウンセラーがそのまま打ってくれた。
そうしたら話す口調が急に変わってしまって、クライアントさんには合わなくなってしまったようです。
カウンセラーの対応を邪魔する結果になってしまった。
カウンセラーにも本当は少し抵抗があったのだと思うけど、私がそれに気がつけなかったということがあって、クライエントにもカウンセラーにも大変申し訳なかったなと思いました。
――カウンセラーが所長に意思表示をうまくできなかったパターンですね。
私がカウンセラーに伝えたことを参考に本人の言葉で書いてもらえばよかったんだけど、私がアドバイスしたことをそのまま採用していただいたわけ。
それが大変なミスにつながってしまったんです。
――カウンセラーは対応について相談したくて所長にアドバイスを求めたんだと思うのですけど、それが裏目に出てしまった。
複数のカウンセラーで対応するのは二人三脚に似てるところがある。
歩調を合わせてやっていけばすごく良い対応ができるのだけど、どっちか遠慮したり引っ張ったり、ずれてしまうと、うまくいかない。
逆にアドバイザーとカウンセラーの意見が違って、ケンカしてしまう場合もあるでしょう。
―SNS以外のカウンセリングだと、たとえ意見のが食い違ってもクライエントのいないところでやるから、クライエントさんへの対応が途中で変わるということは起きないですから、SNS相談ならではのトラブルですね。
本当は、クライエントに来てもらって、カウンセラーとアドバイザーがそのクライエントについて話し合っているのを見ていただくのって、ひとつのカウンセリング方法として効果があると思います。
だからSNSで、そういうことをたまにはやってもいんじゃないかと思います。
――面白そうですね。そういうことが出来るタイミングがあったら、是非やってみたいです
(この項、続きます)
2020年2月5日
広報スタッフA
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TENOHASI様をとおして路上生活者支援を行いました

TENOHASIさんは『すべての人に居場所を』という想いの元、池袋を拠点に、孤立してホームレス状態にある人々がつながりを取り戻し、安心して生きていけるようにサポートすることを使命とし、活動されているNPO法人です。
炊き出し、衣類配布などはもとより、路上を脱したい方の相談に乗り、生活保護申請や入院・施設入所のサポート等を実施されています。
SNSカウンセリングのご利用者様の支援をしていただいた時に、何か協力できることはないか?とお聞きしたところ、事務局長の清野さんから「物資の支援をしてもらえないか」というお申し入れを頂きました。
東京メンタルヘルス・スクエアのメンバーにその旨を伝えたところ、あっという間に、段ボール4箱分の冬服、シューズ、タオル、リネングッズが集まり、早速送付。
TENOHASIさんから添付ハガキのお礼状をいただきました。
私たち東京メンタルヘルス・スクエアの理念は「話をちゃんと聞いてくれる人が傍にいる社会を作る。」です。
『すべての人に居場所を』という想いで活動されているTENOHASIさんとは活動自体は違うけれど、根っこの想いは同じなんじゃないかと思っています。
同じ池袋を本拠地としているNPO同士。これからも協力し合っていければと願っています。
2020年1月30日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
広報担当
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SNS相談 (5) SNS相談の醍醐味(1)リリースする快感
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(5)SNS相談の醍醐味(1)リリースする快感
SNS相談利用者の皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしています。
第5回はSNS相談の醍醐味「リリースする快感」についてです。
―――SNS相談の醍醐味は、何だと思いますか?
そうだね、やっぱりこれはと思うのは、隠し事を表現してくれたとき。
――隠し事、ですか。具体的に言うと?
金を隠しているとか、家族に内緒の賭け事をしているとか、今の夫は31番目に好きだった人とかね
――31番目に好きな人……ずいぶん繰り上がって結婚されたのですね(笑)隠し事を表現することが、どうして醍醐味になるのでしょう?
そういう話が出ると、カウンセラー側もウキウキしてきて、もう少し聞きたいなとか読みたいと感じる。漫画の次のページをめくるような感じ。
――たしかに、SNS相談していると次の展開が楽しみになること、経験あります。
漫画は、ページの末尾に期待させるようなものをギューッと詰め込んで、次のページで展開するという演出をやっていますよね。
それと同じように次のメッセージがどんなメッセージかということをカウンセラーのみなさんは期待と不安を持って見ていると思います。
そこにSNSの特性、特徴があります。
次の言葉を待つインターバル。
クライエントも書くか書かないか迷って、送信前に書いたり消したりして、ついには送信ボタンを押すわけです。
――言葉による会話だったら、ポロっと言ってしまうこともあるし一度言ったら取り消せないけど、SNSでやり取りしている中で、満を持して発言した言葉を「ここで来たか!」という気持ちで受け取るインターバルですね
そう、ここで来たか、ここで本音が出てきたか、という衝撃。
クライエントが自分のことを、性のこと、愛のことをしゃべりだす瞬間がある。これはSNSの特徴でしょう
――それは対面の相談、電話相談ではあまり出にくいのでしょうか?
SNSは、隠せる媒体です。電話と比べても、声を使っていないぶんだけ匿名性が高いですよね。
一番匿名性がないのは面談。伝統的なカウンセラーたちはこれは正式なカウンセリングだという。
表情、態度、距離、声の質、そういう非言語の情報から見立てるのが正式なカウンセリングだと言うから。
SNSは、ガラガラ声でも隠して話すことができる。
自分にコンプレックスが強く、それを気にして話せない人にとって、隠せる媒体というのは有利に働くことがあります。
その点に関しては、対面カウンセリングはSNSには勝てないと思う。
――自分の隠したいこと、隠さなきゃいけないことに劣等感を持たずに相談ができる。
そうです。安心して話すことができるんです。そして何より面白いのは、隠して隠していたのをばらす時だよね。そこに快感があるわけです。
――せっかく隠してたのに、ばらしてしまうのですか?
そう。隠していたことを、自らお披露目するところに、快感がある。暴かれることなく、ね。
だからクライエントは隠したいことがいっぱいあったほうがいいわけよ。リリース感が強まるでしょ。たくさん味わえる。
そこはSNSの優れたところでしょう。
(この項、続きます)
2020年1月20日
広報スタッフA
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ジャーナリスト渋井哲也氏を招き『ネットと自殺』に関する社内研修を行いました
『ネットと自殺』に関する社内研修を行ないました

本ブログ記事執筆した当NPOカウンセリングセンター長:新行内(右)
SNS相談は面接、電話、Eメールに次ぐ、新たな相談手段。特に若者や子どもたちにとっては、気軽に利用しやすい相談手段となっています。
そしてそれは新たな試みであるがゆえに、カウンセラーにとっての新たなチャレンジといってもいいでしょう。
このため、SNS相談においてさらに効果的な支援ができるカウンセラーにスキルアップするための研修は、これまでと趣向を変えることも必要です。
そこで今回は、これまでとは趣向を変え研修を行ってみました。
研修のテーマは「ネットと自殺」。
講師は、これまでのようなカウンセラーや対人援助の専門家ではなく、ライター/ジャーナリストの渋井哲也氏をお招きしました。(2019年12月14日(土)研修実施)
1.ネット、いまのエッジは?
実はこの研修ではカウンセラーの面々は、冒頭から、意表をつかれたようになってしまいました。
渋井哲也氏「LINE相談をやってるんですよね、オープンチャット(*)って知っていますか?」
カウンセラー「???」
渋井氏「え? 知らないの誰も?」
LINE相談をやっていながら、カウンセラーのほとんどはオープンチャットというものを知りませんでした。
そのような私たちに、渋井氏はオープンチャットがなんたるかを、手をとるように教えてくださいました。
渋井氏「オープンチャットに参加すると、いまの若者の日常の声が見れます」
いまの若者が常日頃どのようにSNSを使っているのか、そのエッジの一つを学ぶことができました。
ほかにも、こんなこともありました。
渋井氏「SNSのピクシブくらいは見ておいた方がいいですよ」
カウンセラー「??? ピクシブ? 知らない、、、それは写真? プリンター?」
さすがにジャーナリストの渋井氏、いまの最先端、エッジの部分をこともなげに私たちに教えてくださいました。
*LINEのオープンチャットとは、2019年8月よりLINEに追加された3つ目となる新トーク機能。友だち登録した人との「トーク」、友だち登録した人たち同士の「グループ」に加え、友だち登録していない人とも自由に自分の名前を設定したプロフィールで交流できるグループとしてスタートしたのが「オープンチャット」である。
2.自殺についての深遠なる洞察力
今回渋井氏より学ぶことができたのは、そういったエッジだけではありません、学問的なところでもまた学ぶことができました。
そのひとつは、自殺が関わる裁判の中で、資料として多用されているというシュナイドマンの『自殺とは何か?』(誠信書房,1993年)という文献からでした。
シュナイドマンは、著書で以下のように述べているそうです。
●自殺の共通の動機は、耐えがたい心の痛み
●自殺における共通の悩みは、心の願いがかなわぬこと
●自殺の共通の目的は、直面する難問を解決すること
●自殺に共通してみられる感情は、望みも、救いもないという思い
●自殺者に共通にみられる心は、揺れる心
●自殺者にみられる認識の特徴は視野の狭窄
●自殺者にみられる特徴的な対人行為は、死ぬことの予告である
●自殺によくみられる行為は「逃亡」
SNS相談の中で、「死にたい」という声をたくさんお聴きしていますが、相談を振り返ってみても、シュナイドマンのこれらの言葉には「たしかに」と納得できる奥深さがたくさん凝縮されていると思いました。
3.移り変わるものと、変えてはいけない大事なものと
もっと多く我々カウンセラーが学びとったところ(共感性羞恥、インターネットの「第3空間」化、「逸脱」行動をどう見るか?、過剰適応、…etc.)をお伝えしたいところですが、ブログですのでここまでとします。
さらにという方は、例えば渋井哲也氏の各著作を参照していただくとよいかと思います。
例えば渋井氏の最新著作を下記にご紹介しておきます。
渋井哲也『ルポ 平成ネット犯罪』ちくま新書、2019年
◆
元号の変わり目は、なぜか時代の変わり目でもあると言われます。
渋井氏の最新著作のタイトルは、「平成」ネット犯罪ですが、はたして「令和」となり、ネットの世界はどのような変化を見せていくのでしょうか?
時代は変わり、相談手段も移り変わり、しかしながら、かといって、カウンセラーが大事にすること自体は変わることはないと考えています。
我々カウンセラーは、相談手段がいずれであれ、相談者の心の中のさまざまな思いをしっかりと聴かせていただく、そういった営みは今後も変わることはないでしょう。
2020年1月16日
特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア
カウンセリングセンター長 新行内 勝善
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SNS相談 (4) 人間関係のヒント
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(4)人間関係のヒント
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第4回は少しSNSから離れて、人間関係のヒントになるかもしれないお話です。
―――ユーモアがデトックスの効果を持っていることはわかりました。でも衝突って、とてもユーモアなんて雰囲気じゃない、呼気どころか息もひそめてしまうような緊張した雰囲気の中で発生しているように思います。そんな風に衝突している人たちがいるとき、所長ならどうします?
逆説的な言葉が、ユーモアになるね。一触即発の雰囲気の時だよね?たとえば「あー、これは止められないぞー」とか声を出すかな。
――そういう言葉でその人たちの関係に入っていく。
逆説とは真理なんだよ。「急がばまわれ」「負けるが勝ち」とか言うようにね。衝突している二人の前で、そのうち片方に向かって「やー、〇〇さん、喧嘩始まっちゃったんだけど、負けてくれない?」と言ってみる。そう言うと、どっちが勝つかわからないけど、止む。
――面と向かってそう言われたら、その言葉になんらかの反応をせざるを得ないですね。そのひとことは所長のユーモア力というか。そこで、それを言えるのは所長のセンスだなぁって思います
適切なタイミングは大切だね。それと、その気になって言う。本気になって言う。そうしないと馬鹿にされたような感じになっちゃうから。
――もしそれでも関われない人、たとえば、所長の職場で、所長に対して反抗的というか、敵対的、あまりよく思ってなさそうな人が中に入ってきたとしたら、どうします?
勇気を持って声かけするっていう経験があります。最初はエネルギー必要なんだよね。どう言われるかなとか、無視されるんじゃないかとか、ぶん殴られたらどうしようとか思うのははあります。でも、できるだけフラットな気持ちで声をかけます
――マネジメント側である所長が、勇気を持って声かけするんですね。
特にその人がちょっと問題視されている状態されている場合ですね。そういう時は、肩から力を抜いて声をかけます。マネジメント側という態度で接したら、うまく行かない。そして本人だけではなく、周りの人たちの話も聴く必要があります。同じように感じている人、違うように感じている人もいるだろうしね。
――勇気を出して、力を抜くんですね。簡単なようで難しそうです。
そうだね、ほんとは力抜けてないかもしれない。でも、力を抜いたふりをする。ポーカーフェイスも、カウンセラーには大切だからね。
(この項、続きます)
2020年1月14日
広報スタッフA
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SNS相談 (3) ユーモアの力
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(3)ユーモアの力
SNS相談利用者の皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしています。
第3回は「ユーモアの力」です。
――所長にとってのユーモアというのは、どういうものですか?
あったかいイメージ。それから呼気と関係するもの。
息を吸いながら笑えないでしょう?笑いは全て吐く息なんです。
出すこと。毒を出すこと、デトックスに近い。
笑い声を出させる。出す事は、快適さが伴うね。
あのね、どんな場であろうと、人を一番強力に回復させる力は、ユーモアです。
サポートでも、素晴らしいカウンセリングの理論でも、金でもなく、ユーモアなんです。
――ユーモアも出てこないくらい弱っている人も、いると思います。
自分ではそんな風に考えられなくても、周りの人が言っているユーモアに笑わせられるだけでも、回復する力になりますか?
もちろん。
周りから何か言われて、クスッとわらったり、大笑いしたり。
だからSNS相談ではユーモアを目指す!だから、カウンセラーの先生方、あまり固いこと言わないでくれよって思うことあります。
――思うだけじゃなくて、所長からしっかり言ってください(笑)
職場で笑い声やユーモアがあるのはメンタルヘルスがいい証拠だからね。
先ずは自分の職場からユーモアを生み出さないと。うん、そうだね。
――世間には、ユーモアも雑談もない職場は多いと思います。
ユーモアがないところにユーモアを生み出すにはどうしたらいいでしょう?
それは難しいね。一つは、本音。本音を喋ると、ユーモアになる。あとは失敗談。
例えば、私は尻フェチなんですよ。
私が小学4年生の時、学校の先生に恋をしたんです。
彼女は3年生の担任だったから、用もないのに3年生の教室の前をうろうろしたりして。
ある日ラジオ第二体操をして、ばっと前を見たら先生のお尻があった。
バーン!ってLargeなお尻。Largeなんですよ、Bigじゃなくて。
それからです、フェチになったのは。
これ本音なんです。
これ話すとみんな笑うわけ。そういうのですね、ユーモアは。
実際、今でも私はそういうのを引きずっているんですよ。だから大きいお尻を見るとなんか反応する自分がいる。
ここまで話して「みなさんもないですか?そういうエピソード」と問いかける。
そんな風に、自分の話の中に相手を迎え入れるというか、じゃれついていく。
――それは、自分の中にユーモアになるような本音の引き出しが必要だと思います(笑)
私にはそういう引き出しないなぁ、言えないなって思いました
そう?ユーモア言えない人もユーモアを言ってますよ。
しゃべれないことを上手に表現する方法を探してみるといい。沈黙は金、饒舌は銀。
だから私なんかより、あなたのほうがよほどすごい。
――なるほど、そうやって私のことを会話に迎え入れてくださるわけですね(笑)
もう一つは、歌舞伎の舞台にしてしまうことです。
――え、歌舞伎ってユーモアなんですか?
歌舞伎役者は、本気で、なり切って、見栄を切る。
大衆はそれを見て笑ったり、掛け声をかけたりして呼気を出す。
これもデトックスですね。あれから私はメンタルヘルスを学びました。
歌舞伎役者は「あるく〜」なんて言いながら大袈裟な身振り手振りで歩くでしょ。
道端でやってたら大変だけど、舞台でやると芸になる。現実から少し離れる。
だから、深刻なときにこそ舞台が必要。舞台に乗ると芸になるから。
だからケンカやいじめも、芸になればいい。
そして今日も舞台稽古ありがとうってね、なかなかいい芸ができましたと言えると、いいんだ。
でも、芸にするには誰か演出役が必要だよね。
――そうですよね、彼らは舞台に乗っているつもりはないから。
乗っけちゃわないといけない。どう乗っけるかは、技だよね。
(この項、続きます)
広報スタッフA
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SNS相談 (2) カウンセリングで大切にしているもの
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(2)カウンセリングで大切にしているもの
SNS相談利用者の皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしています。
第2回は「武藤所長がカウンセリングで大切にしているもの」です。
――所長が対面のカウンセリング、SNS相談で大切にしていることを教えてください
対面の面談でも、SNSの面談でも、信頼関係というのが一番重要じゃないでしょうかね。
対面のカウンセリングに来てくれた人には、まずは「この場所は分かりにくくなかったですか」と聞く習慣があります。
よく来ていただきました、あなたを歓迎していますよというメッセージを送っているということですかね。
次に全体の形を大切にします。お姿だけでなく、雰囲気などを含めた、全体の形。そこにどうしても目が行きます。それは対面のカウンセリング独特のものですよね。
さらに対面では、自分も相手に見られているわけです。
お互いに様子をうかがいながら、どういう話をされにきたのかとか聞きます。
はっきり言語化できる人もできない人もいるけれど、言葉以外に表情や態度からも読み取れることがあるから、一回の面談でだいたい見立てられることが多い。
この人が本当に困っていることは何だろう、本当に何とかしたいと思っていることは何だろうと。
なかなか見立てられない時は、私だったらエンプティチェアを使うときがあります。
ひとりロールプレイ、寸劇を通して、その時の気持ちを味わってもらう方法です。
「お母さんともっと話したかったのね、お母さんにわかってもらってもらいたいことがあったんだよね。じゃあせっかくだからお母さんにここに来てもらおうか」って言って、空っぽの椅子を指して「お母さんがきたと想像してみて。見える?見えたらそのお母さんに言いたい事言ってみて」って。
他にもいろんな技術を持っているカウンセラーであれば、ゲシュタルトセラピーとかアサーティブとか認知療法とか精神分析とかね、いろんな技というかスキルを発揮できる。それが対面の面接だと思います。
――SNSでは、そういうことはできませんね。
面談では非言語の情報のやりとりから、信頼関係が築きやすい。全体の形も見えやすい。
一方、SNSは嘘ついてもいいし、隠してもいい。カウンセラーからは全体の形がなかなか見えない。
でも、嘘をつくにはそれなりの理由があるんでしょう。
隠すことにもご本人にとって意味がある。それは隠させたほうがいい。
――隠させてあげられるというのは、あるかもしれないですね。
隠していることも、話してくれたことも、相手を尊重しながら聴くということ。
そういうところから信頼感が生まれると思います。
そして、カウンセリングで大切にしているもの、やっぱりユーモアが一番です。
――ユーモアは、人間関係だけではなく、カウンセリングのキーワードでもあるのですね。
(この項、続きます)
広報スタッフA
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心休まる音楽を届けたい ~Mogami Project~
ご病気の人、落ち込んでいる人、孤独な人などに心休まる音楽をお届けしたい。
~Mogami River Project CDを無料で配布しています~
ソロギタリスト土門秀明氏の制作されたCDを、東京メンタルヘルス・スクエア受付フロアにて配布しております。
心が休まる素敵な音、音楽です。
ご興味のある方はどうぞご自由にお持ちください。
みなさまのこころに花が咲きますように
事務チーム
<土門秀明氏からのメッセージ>
Mogami River Project
これは、例えば、ご病気の人、落ち込んでいる人、孤独な人、何らかの理由で家から出られない人などに、私が演奏したCDを、無料で届けようというプロジェクトです。音源自体は、何の変哲もありません。
私の拙い演奏と最上川の水音、虫の音、鳥の鳴き声、風の音などが入ってる、いたってシンプルなCDです。
制作に至っての経緯は、私の経験に由来してまして、世間には、いろんな理由で、家から、病院から、施設から出られない人達がいます。
そういう人達の一服の清涼剤にでもなればという単純な動機であり、私の自己満足でもあるかもしれません。
あと、最近お蕎麦屋さんでギター演奏をしてるのですが、そこで知り合った不眠症の方が、私のCDを聴きながらだと良く眠れると言ってくださった事もあります。
基本体勢としては、NPO(様々な社会貢献活動を行い、収益を分配することを目的としない団体、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てる)になりますが、無料で配布しますので収益は出ません。
しかしながら、制作費、経費は掛かりますので、協力者、後援者は、いてくれると助かります。
「私はこういう事が得意だから、こういう事で協力します」とか、「これ余ってるので使ってください」とか、何でも結構です。
ただし、ビジネス目的、PR目的でしたらご遠慮ください。持ち出し金は出ても、何もリターンはありません。
CDについての感想、評価などは、期待しておりません。私に与えられた音楽スキルが、少しでも世の中のお役に立てれば幸いです。
代表者プロフィール
土門秀明(山形県酒田市出身)
1990年代、バブルガムブラザーズ等のバンドで活躍した後、単身渡英。日本人初の「ロンドン市公認音楽家」となり、2012年まで約10年間地下鉄演奏を敢行。
帰国後、適応障害、鬱病、パニック障害などを発症し、一時は寝たきりとなるが、音楽の力で回復、復活する。
現在は、各症状と向き合いながら、イベント出演やBGM演奏、執筆など多岐に渡って活動中。
公式HP : http://www.domon.co.uk/Site/welcome.html
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SNS相談 (1) 東京メンタルヘルススクエアの特色
東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談
(1)東京メンタルヘルス・スクエアの特徴
SNS相談を利用してみたい方、もう利用されている皆様。
皆様に、SNS相談の向こう側にいる私たちのことを少しでも知ってもらいたくて、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(以下TMS)の創始者であり理事長である武藤清栄所長に「東京メンタルヘルス・スクエアのSNS相談」というテーマでお話をお聞きしました。
これから数回に分けてご紹介します。
第一回は「東京メンタルヘルス・スクエアの特徴について」です。
――東京メンタルヘルス・スクエアの他にはない特色は何だと思いますか?
私はね、「お話しパートナー」という言葉がすごく好きなんです。
自分のところなのに、他人事のように好きですね。カウンセリングというよりも、お話しパートナーのほうが気軽な感じ…社会学的な言葉を使うと「大衆化されている」感じがして。
――大衆化されている?
いろんな人たちが気軽にお話ししようって来られる。「カウンセリングを受けよう」というのではなく。
――クライエントにとっても、カウンセラーにとっても敷居が少し下がっている感じでしょうか
そう。「パートナー」という感じが、TMSの特徴的なところだと思います。そういうところを伸ばしていきたいと思いますね。
カウンセラーが一方的に援助しようと思ったら、身が持たないと思うんです。疲れちゃって。義理と人情でやっていくのも悪くないんだけど、長くは続けられない。
――クライエントを援助するために、クライアントにも半分は助けてもらうということでしょうか。
そう。カウンセラーの観点でクライエントを解釈するのではなくて、クライエントと一緒に掘っていく。どんな心の世界があるのか聞かせてもらう。
――カウンセラーが答えを作ろう、与えようと思うと、疲れてしまうし、無理なことも多いから、あるものを掘り出していく。そんな感じ。
例えば自分の思いを言えなかったと後悔しているクライエントさんに
「なんで言わなかったの?」
と聞くのは普通のコミュニケーションなんですけど、
「何か言えない理由があったの?」
「その時どんなこと考えたの?」
と言うと、クライエントさんと同じ場所から、一緒に掘っていくことができる。そういうところでも、やっぱりパートナー的なところ、相手の目線に立って、というのは根底にあるのだと思います。
――実際に、今活動されているTMSのカウンセラーを所長が見ていて、パートナーとして活動されている感じ、します?
そういうのが堂々と表現されていない感じはする。なぜかと言うと、不思議だなって思うんだけど、このオフィスには「東京メンタルヘルス株式会社」という看板が掲げてあって「東京メンタルヘルス・スクエア」って看板は少ししかない。私たちはお話パートナーになるためにオフィスに来ているのに、私たち自身の居場所は、どこにあるんだろう?
みんなこのオフィスに来て、椅子とか席を「借りている」みたいな意識があるんじゃないかなという気がする。
(編集者注:TMSは東京メンタルヘルス株式会社オフィスの一部を借りて活動しています)
――そういう意識、確かにあります。
あるでしょ?だからそのあたりを、もう少しOPENにして、ここは共用、ここは占有、何時から何時まではスクエアと、男風呂女風呂のような、分け合ったり交互に使う感じがあってもいいかなと思うんだよね。そうするとお話パートナーっていうのももっと堂々と表現できるかなって感じがちょいとしていて。
――そうですね。
TMSの理事たちは何を考えているのだろうね。理事長をはじめ・・
――そこは理事長からパシっと言ってもらうとよろしいかと(笑)
本来、TMSが生まれたいきさつは、東京メンタルヘルス株式会社(以下TMA)と比べて小回りが利く団体として設立したNPO法人です。カウンセリングを日常的なものにするとか、お話パートナーとか、仲間づくりとか、TMAができないようなことをやるために。
――TMSとTMAの役割分担ということでしょうか?
固い言葉で言えばそういう言葉なんだけど、パートナーかもしれないね、TMSとTMAも。
――パートナーとしては、かみ合ってないかもしれないですね。
その点、TMA、TMS両カウンセラーが参加するSNS相談は、コラボレーションだよね。違う所属の人たちが集まって、誰がどこの出身とか知らない人も、同じプロジェクトに取り組んでいる。私たちにとってもSNSはいい試みですね。
ケンカも起こったり、うまくいかないこともあったりするんだけど、それは、まあ、しょうがない。あなた方カウンセラーでしょって言われても、しょうがない。
――そうなんですよ!「あなた方、カウンセラーでしょ?!」って思うような出来事、いっぱいあるんです(笑)
もうね、カウンセラーも分かっていてもやめられないんだ、人間だものね。洗練されていないところもある。それも含めて、SNSの醍醐味だと思います。そういうところで、カウンセラーにもユーモアがあるといいね。
(この項、続きます)
広報スタッフA
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